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中国でネット世論パワー

死刑判決に異例の差し戻し

 中国で女性死刑囚・呉英(30)の減刑を求める世論が沸騰している。

 浙江省東陽市出身の呉は20歳そこそこで起業し、美容室を振り出しにホテルや不動産、広告会社など多岐にわたる事業を拡大していった。

 そして民間企業に関係する11人の知り合いから、高額の利子をつけて返すなどといって7億7千万元(約100億円)の資金を集めた。そのうち半分の3億8千万元(同50億円)が未返済となった。地元の警察は中国独特の資金収集詐欺罪にあたるとして、5年前に呉を逮捕した。

 借金未返済の罪は問われうるが、「不動産などの保有資産を処分すれば十分に返済可能だった」と呉の弁護士は主張する。だが呉は事業活動中の2007年2月、東陽市公安局に突然身柄を拘束され、その機会も失った。

 その後に起きたことは中国中で起きていることと同じだ。

 翌年6月、公安局が彼女の事業資産の競売会を勝手に行い、高級車など多数の資産を購入時の数分の一の安値で処分した。

 判決も出ない前から官憲は獲物に襲い掛かる群れのハゲタカのように、民営企業家の資産を食い散らかしたのだ。

 そして、一審判決は求刑通り死刑となった。さらに今年1月の二審では、控訴が棄却された。中国は二審制でこれで結審したことになるが、死刑に限って最高裁が審査を行うことになっていて4月20日、呉被告の死刑判決を認めず、下級審に差し戻す異例の決定を下した。

 中国ではネットで力をつけた世論が、司法のありようをも突き動かすようになってきた。

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