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霞ヶ関ファイル

金田勝年法相の記者会見 2・28

共謀罪

【記者】重大な犯罪に合意することを処罰する共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正についてお尋ねします。大臣は2月23日の衆議院予算委員会分科会で「ある会社の性質が一変して組織的犯罪集団になったとしても、構成員でない人には捜査が及ばないのか。組織的犯罪集団になったのを知らない人は捜査対象になるのか」といった質問に対して「容疑者として嫌疑がなければ捜査対象にならない」と答弁されました。「容疑者として嫌疑がある」というのはどのような状況を指すのでしょうか。例えば、重大な犯罪に合意をした後、そのうちの誰か一人が準備行為と考えられる行動をとった後でないと、その合意したメンバーは「容疑者として嫌疑がある」という状況にはならないのでしょうか。

【大臣】刑事訴訟法は、警察官が犯罪の嫌疑があると認めたときに捜査を行うものとしています。テロ等準備罪については、一定の重大な犯罪の合意に加えて、実行準備行為が行われたときに初めて処罰されるものとすることを検討中でありますが、法案の成案を得ていない現時点で、どのような場合に嫌疑が認められるかについて詳細な説明をすることは困難であると考えています。

 なお、捜査の開始時期については、個別具体的な事案において、嫌疑の内容、程度に応じて定まるものであり、一概に申し上げることはできませんので、この点についても、お答えは差し控えさせていただきたいと考えています。

【記者】テロ等準備罪をめぐって、先ほど公明党の政調全体会議で政府議案が示されました。また今日午後には、自民党の法務部会でも審査が始まる見通しになっています。大臣としては与党側にどのような審査を期待されるのか、また、閣議決定の時期をめぐって、自民党は3月10日、公明党は時期に関わらず十分に時間をとってというスタンスをとっていますが、それぞれ与党に対してどう進めてほしいというお考えをお持ちでしょうか。

【大臣】法務省において、十分な検討を進めながら、自民党、公明党、両党の皆様に現段階での考え方を御説明する手続に入ったと考えています。そういう意味においては、しっかりとそこで議論をしていただいて、まとめ上げていくというプロセスに入ったと考えており、そのことをそのまま御期待申し上げます。

【記者】「そのことをそのまま御期待申し上げる」というのは、具体的にはどういったことを与党側に期待したいとお考えでしょうか。

【大臣】私どもは十分な説明を重ねているところではありますが、そこでの議論でしっかりとしたテロ等準備罪の政府与党案ができていくのではないかと、このように考え、期待を申し上げる次第であります。

【記者】与党側への説明が始まったということですが、一方で参議院予算委員会も始まります。参議院予算委員会でも法案についての説明は出るかと思うのですが、それに対してどのように説明していくのでしょうか。成案を得た上でというスタンスについては変化はあるのでしょうか。

【大臣】参議院予算委員会では、成案に向けての議論と取りまとめが行われていくであろうと思います。そういう両方のプロセスを踏まえた答弁になるのではないかと考えています。

【記者】団体の中に犯罪の計画に、合意に加わっている者もいれば、加わってない者もいるという状況があるかと思います。正当な活動をしていた団体が性質を一変した場合に、構成員の中に、犯罪計画に加わっている者と加わっていない者がいる場合、全員が処罰の対象となるのか、それとも組織への計画などにはあまり関与していない者は排除されるのか、この辺りについてはいかがでしょうか。

【大臣】成案を得て御説明を申し上げたいと考えています。

【記者】今の点、国会で確か説明していませんでしたでしょうか。団体の構成員の中に犯罪計画に具体的に加わっている者もいれば、加わっていない者もいるという場合があると思います。そういう場合に、加わっていない者も処罰の対象にです。

【大臣】一変するということですから、組織的犯罪集団に関わりのない者についてのお尋ねだと思います。その場合は捜査の対象とはならないと考えています。

【記者】大臣は国会でも「容疑者として嫌疑がなければ捜査対象にならない」という御答弁をされ、今もそのようにお答えになられました。ただ、具体的には「一概には言えない」というお答えもされていますが、こちらがお尋ねしているのは、具体的な状況ではなく、例えば組織的犯罪集団がある場合に、その構成メンバーは誰なのかということは調べないのでしょうか。

【大臣】最初に幹事社として御質問を賜りました、その御質問に対する私の答弁と全く同じようになると考えています。

【記者】組織的犯罪集団の構成メンバーが誰なのかというのは、通常の犯罪と同じ手続であれば調べるのが普通だと思いますが。

【大臣】刑事訴訟法の規定に従い、捜査を行うことについては、テロ等準備罪についても全く同じだと考えています。これ以上については、先ほど申し上げたように、成案を得た後に説明すべきものと考えており、これ以上は、今、差し控えさせていただきたいと考えています。

【記者】成案を得ないと説明できない問題ではなく、大臣が「嫌疑がなければ捜査対象にしない」とお答えになっているので、その根拠をお尋ねしているのです。根拠がないのに、そういう説明をされているということでしょうか。成案ができていないのに、そういう説明ができるのでしょうか。

【大臣】どのような捜査をするかということは、一概には言えませんが、いずれにしても、嫌疑もなければ容疑者として捜査することはないということを申し上げさせていただきます。

【記者】組織的犯罪集団に変質したことをその人が知っているかどうかは捜査しないということでしょうか。通常の犯罪捜査は、それが常識じゃないでしょうか。

【大臣】テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が合意に加えて実行準備行為を行って初めて処罰されるものです。一般の方が特定の犯罪の実行を合意しただけで処罰されるものではないということをあらかじめお断りした上で申し上げたいと思います。どのような捜査をするかという点については、一概には言えませんが、いずれにせよ、嫌疑もなければ容疑者として捜査することはないと申し上げます。これ以上のお答えは同じことになろうかと思います。


【記者コラム】次元低い質問によるテロ対策潰し

 「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、国民の7割は賛成との調査結果がある。東京五輪が近づくにつれて、テロの懸念が高まっているのだから、当然のことだろう。

 だが、左派系の新聞・テレビを中心に反対するマスコミが多い。法律が拡大解釈されて、無垢の一般人の人権侵害の恐れがあるというのが表向きの理由だが、単なる反自民活動とテロ対策潰しの一環ではないか。法務大臣に対する記者たちの、低次元な質問の繰り返しを見ると、そう思えてくる。

 たとえば、ある記者は「ある会社の性質が一変して組織的犯罪になったとしても、構成員でない人には捜査が及ばないのか。組織的犯罪集団になったのを知らない人は捜査対象になるのか」と質問している。これに対して、法相は「容疑者として嫌疑がなければ捜査対象にならない」と、明確に答えているが、それでも記者は「容疑者として嫌疑ある」とはどのような状況を指すのか、とさらに質問している。

 それについては、現段階としては、一般論として刑事訴訟法にもとづき、警察官が犯罪の嫌疑があると認めた時に捜査を行うとしか、答えようがないことは明らかであろうに、記者たちは同じような質問を何度も繰り返している。

 さらには「犯罪計画に加わっていない者」も処罰の対象となるのかと、あたかも誰もが処罰の対象になるかのような印象を与える質問も行っている。これではもはや、記者会見での質問というよりも、記者の特権を使った嫌がらせである。

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