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都民ファーストより小池ファースト?

「老骨の反旗」翻せるか石原慎太郎氏

 東京都議会は2月20日に、豊洲移転の経緯をめぐって「百条委員会」設置を決めた。強力な調査権を持つ百条委は地方議会にとって、いわば「伝家の宝刀」だ。その証人喚問の厳しさは参考人招致の比ではない。嘘の証言をすれば偽証罪に問われ、正当な理由なく証言や資料提出を拒めば禁固刑を含む罰則が科せられる。

 そもそも2005年には、石原氏の右腕だった濱渦武生元副知事が百条委で追及され辞任にまで追い込まれている。

 ただ「白馬の女騎士」として颯爽と登場した小池百合子都知事にしても、表看板こそ「都政の闇を暴く正義の味方」だが、夏の都議選に向けた政治ショーを演出しないといけない事情がある。

 2月の千代田区長選で、小池知事支援の現職が自民党推薦の新人に圧勝したことで「都議会のドン」だった自民党都議連前幹事長の内田茂氏を引退に追い込んだものの、小池都政の正念場となる7月2日の都議選にむけて次の犠牲の燔祭が必要なのだ。そのため小池陣営は、豊洲移転問題を政局に使いたいのだ。

 ただ、豊洲移転問題が宙に浮いてしまったことで一番の犠牲者は、築地の市場関係者であり都民だ。豊洲移転の延期に伴う損失補てんのため、都は50億円の補正予算を組む予定だが、その血税を払うのは都民だ。何より豊洲移転を白紙撤回するとなった場合、6000億円の予算を投入して完成した新市場をどうするのか、計画を早急に練らないといけない。今はただ、判断の先延ばしだけなので、今後は不作為の責任さえ生じてくる。

 小池都知事とすれば、次の都議選で小池チルドレンを当選させ、議会の過半数を制することが政治家としての天王山だ。そのため7月までに豊洲問題の結論を出すつもりはさらさらない。選挙前、移転賛成となれば反対派の票が離れ、移転反対で築地再整備となれば市場関係者ら移転賛成派の票が逃げていく。

 だから、移転是非の結論は、しばらく棚上げした方が選挙には好都合というわけだ。ここに「都民ファースト」の旗を掲げながら、「小池ファースト」の権勢欲が透けて見える。

 いずれにせよ「座して死を待つつもりはない」と、4期13年に及ぶ長期都政に君臨したを石原慎太郎元都知事と、盤石の都政基盤構築に余念のない小池百合子都知事との戦いに、しばらく目が離せない。

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