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革マル派アジトに見る

老人革命家達の残り火

 警視庁と神奈川県警は1月、革マル派幹部の60代の男が偽名で賃貸契約書を作成して不動産会社に提出したとされる事件をめぐり、有印私文書偽造・同行使容疑で、東京都葛飾区の非公然部隊「情報調査部」(INF)のアジトと、神奈川県の関係先を家宅捜索した。

 この捜索でアジトから押収された証拠品から、警視庁の人事情報が見つかった。情報は長年、継続して収集されており、過激派捜査担当者など公安部幹部の異動経歴なども把握していたとされる。

 革マル派は、かつて警察無線を盗聴するなど治安捜査当局の動向を監視していたが、現在でも活発に情報収集活動を継続している実態が判明したことになる。また、犬猿の仲にある中核派など対立する他セクト情報をも詳細に収集していたことも確認された。

 さらに派内で植田琢磨=本名・新田寛ひろし=議長(70)が幹部更迭の人事を断行したとみられる証拠も見つかるなど、革マル派が現在もなお水面下で活発に動き続けている実態が浮かび上がった。

 革マル派は、黒田寛一の「反帝国主義・反スターリン主義」を掲げ、「プロレタリア世界革命」の一環としての日本革命を狙う。革マル派の源流は、トロツキーの思想に影響を受けた革命的共産主義者同盟(革共同)で、運動方針をめぐって中核派と分かれた経緯がある。

 2017年の警察庁推定では構成員は約5500人。機関紙として週刊『解放』・隔月刊『新世紀』を発行する。

 東京・早稲田にビルを構える「解放社」本社と全国6道府県に設置されている同社の支社等が公然拠点だが、このほかに非合法な活動を行う非公然アジトが各地に存在する。今回はその非公然アジトから革マル派の実態が浮かびあがった。

 一昨年夏、国会前で「戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 8・30国会包囲行動」と銘打った集会が開かれたが、ここでは歴史に埋没したと思われていた「新左翼」が参加していた。ただ当時と違うのは、ヘルメットに角材という定番の姿ではなく、一見すると普通のおじさんと変わりない一般社会人化した高齢活動家たちだった。革マル派活動家の高齢化も避けがたいが、まだ「残り火」は燃えているということになる。

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