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永田町ファイル

自民党・二階俊博幹事長の記者会見 5・8

憲法改正へ一歩

【冒頭発言】本日の役員会議は、安倍総裁からのご挨拶で、先週、「憲法施行70年」の節目の日にあたり、憲法改正について、自民党総裁としての考え方を表明しました。憲法改正は、わが党の立党以来の党是であり、歴代の総裁、すべての党員の悲願です。これを受け継ぐ私たちには、この国の未来像をしっかりと国民に提示し、そして、「結果」を出していく、大きな責任があります。政治は「結果」です。どんなに立派な案であっても、衆参両院で3分の2を形成し、国民投票で過半数の賛成を得られなければ、ただ言っているだけに終わってしまいます。

 その現実を胸に刻み、この節目の年にあたり、自由民主党が、衆・参の憲法審査会において、現実的かつ具体的な議論をリードする、その責任があります。これは、わが党の「歴史的使命」です。役員の皆様方とともに、党一丸となって、本年いよいよ、憲法改正への歴史的な一歩を踏み出したい。その決意なので、ご理解とご支援をお願いします、ということでした。

 それから、後半国会も、政府と与党が十分に連携し、高い緊張感を持って丁寧なうえにもさらに丁寧な審議を重ねてまいりたいということでした。

【記者】憲法改正に関する総理のご発言について受け止めをお願いします。

【幹事長】わが党としては結党以来の悲願ですから、憲法改正を行い、立党以来の党是である、あるいはまた歴代の総理総裁が悲願としておられたことですから、これを受け継ぐわれわれが結果を出していく大きな責任があることは当然です。それに向かって党内一致結束して対応していけるようなことを考えなきゃいけない。われわれは国民投票で過半数の賛成を得なければ、ただ改正は一時だけに過ぎないことになりますから、その辺りの努力を今後しっかりしなきゃいけない。そして、総理総裁たる人が口火を切ったような形ですから、われわれ党としても全力を傾けて、その方向が実現できるようにしなきゃいけない。このように思っています。

【記者】憲法改正の具体的な項目とスケジュール感について、9条に自衛隊を明記すること、2020年施行という総理の発言がありましたが、党の方も同じお考えということでよろしいですか。

【幹事長】きょうはそこまで立ち至って発言があったわけではありませんが、今後当然このことがテーマになり、関心事でもある。ですからまたご意見を頂戴して、その都度この場にご報告をしながら取り組んでいきたい。

【記者】総理の発言について、党内からは与野党の話し合いが難しくなるという懸念も聞かれますが、これについては。

【幹事長】きょうのところは具体的にその懸念についてのやり取りがあったわけではありませんが、おっしゃるようなことも含めてこれから党内の意見をまとめていく。この努力をわれわれはこれから力を傾けていかなければいけないと思っています。

【記者】2020年施行ということについて本日の役員会で総理からご発言がありましたか。

【幹事長】きょうは特に2020年という時期を区切ったような発言はありませんでしたが、これから十分意識をしながらわれわれも取り組んでいきたいと思っています。

【記者】この目標について幹事長はどのように見ておられますか。

【幹事長】総理がそれだけの決意を込めて言っておられるわけですから、2020年が別に2021年にしようが2019年にしようが大したことはなくて、2020年が国民の皆さんのご意見を聞いても妥当だということであれば、その線でまとめるということはいいんじゃないかと思っています。

【記者】今後の党内論議の進め方についてイメージなどありますか。

【幹事長】まだ特別のイメージ、このような取りまとめをしようということを決めているわけではありませんが、まずは党内の意見を十分くみ取ってやっていくのが当然のことですし、この性格上、特に広く党内の意見をまとめるということが一番大事なことだと思っていますから、その意味で努力をしていきたいと思いますが、今こんなルールで、こんな方法で、こういう結論を出そうなんていうことを今考えているわけではありませんが、円満な党内議論の上に結論を導き出していきたい。このように思っています。

【記者】国民投票と国政選挙を同時に行うことについて、懸念の声もありますが。

【幹事長】これはそれこそ広く党内の意見を聞いてまとめるべきですから、幹事長が今こう考えるとかこの方向でいこうとかいうことではなくて、時間は当然、急がなくてはなりませんが、慎重に対応したいと思っています。

【記者】総理の発言について、事前にご相談もあったかと思いますが、その経緯をお聞かせいただけますか。

【幹事長】いつどこで何を言ったかというようなことではありませんが、憲法改正については、70年の節目を迎えて、これに対して党の総裁としてしっかりした考えを持って対応していかなきゃいけないという不退転というか並々ならぬ総理の決意だと思います。われわれはその決意を受けて、自民党総裁としてわれわれは支持しているわけですから、このお考えに基づいて党内をまとめていく。そういうことが大事じゃないかと思います。

【記者】総理とのやり取りのなかで、二階幹事長として憲法改正まで見届けてほしいといったお話などはありましたか。

【幹事長】そんな話は全くありません。

【記者】野党側とはどのように協議を進めていかれるお考えですか。

【幹事長】野党とも円満な話し合いをしていくことが当然、大事なことではありますが、何でも言われるままに結論を出すわけではありませんから、そこはこれからの話し合いだと思います。

【記者】都議選に向けて改めて決意をお聞かせください。

【幹事長】きょうは自民党の総裁と各候補者との写真撮影を終えました。私も同席させていただきました。いよいよ選挙だなと言うことがいやがうえにも気持ちとして高まっているようで、各候補者とも私も一人ひとり撮影をしましたが、そこで交わす言葉のなかにも相当の決意を秘めている。だんだんスタートラインに立つに際して、気分的な盛り上がりが垣間見えるような感じで、いよいよこれからですよね。本番に向けてしっかり各候補が頑張ってくれる。私は特に都連の皆様にも申し上げているんですが、やはり選挙は自分だと。自分が頑張らなきゃいけないんだと。そういうことをお互いに徹底していこうじゃないかと。党に、都連に、本部にと、頼るところはいっぱいあるんですが、私らも選挙を何回も重ねておりますが、最後に頼るのは自分ですよ。だから、自分に頼ってしっかりした選挙をやってもらいたいということを重ねて強く要請しているところです。


【記者コラム】9条改憲案で自民はまとまるか

 安倍晋三首相が5月3日の民間団体主催の改憲推進派大会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新憲法施行の年にしたい」との決意を表明した。いよいよ安倍政治の本丸である憲法改正に乗り出すことを明言したわけだ。8日の二階俊博幹事長の記者会見は、この総理発言に関して集中したが、自民党執行部としては首相を支えていく姿勢を打ち出したことで今後の国会での主要テーマに浮上することになろう。

 問題は、首相が9条の条文をそのまま残して自衛隊の存在を加える加憲案をどうまとめられるかだろう。党内の一部からは慎重な声もあるため、「党内の意見をまとめていく手法として、ある程度時間をかけるのもいいけど、時間がかかりすぎてもしょうがない」(二階幹事長)。そのため、今ある党憲法改正推進本部(保岡興治本部長)の下に小委員会を設け「自衛隊」と「教育無償化」に絞った改憲案を早期にまとめる方向だ。

 ただ、「教育無償化」は改憲勢力に取り込みたい日本維新の会の主張を入れたものに過ぎない。あくまでも改憲のキモは、9条である。2項の「戦力を保持しない」の文言を残したまま、2012年に公表した自民党改憲案では「国防軍」と位置付けた自衛隊の存在を書き込むにはどういう案文が可能なのか。首相は9日の参院予算委で「党内議論を加速し、憲法審査会への提案をいかに苦しくてもまとめる」と答弁したが、今ほど英知の求められるときはないだろう。

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