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豊洲問題両論併記の小池都知事

都議選で都民ファースト過半数

 〝おんな城主〟小池百合子都知事の初陣となった「東京・夏の陣」は小池氏に勝利の旗が揚がった。公明党など知事支持勢力が過半数を制した。

 都議選で小池氏率いる都民ファーストの会に風が吹いたのは、豊洲問題で「豊洲移転と築地存続」両論併記の小池氏の妙案があったからだ。

 それまで小池氏は決断できない知事ということで追い込まれていた。安心と安全をごちゃまぜにして問題を放置している不作為の責任も追及されていた。また小池氏は「都議選まで豊洲問題に結論を出すつもりはない」とも言われていた。もし移転に賛成の意向を示せば反対派の票が失われ、築地再整備を言い出せば、市場関係者はじめ移転推進派を敵に回し、豊洲市場の巨額な整備費の問題も浮上するからだ。だから小池氏にとって結局、どっちつかずの宙ぶらりんこそがベストの選択だというのだ。

 そうした政界スズメの喧騒を消すかのような「豊洲には移転し、築地も存続させる」という両論併記策は、誰もができる決断ではなかった。

 実際はどっちにもいい顔する選挙対策の側面もあるかもしれない。しかし、それを見越した上で決断したことは評価される。

 ただ、築地における物流量は年々減少傾向にある。水産物に限っては1987年のピーク時から4割減だ。水産物卸業者数も同様の落ち込みを示している。さらに築地から豊洲に移転するのを機に廃業を決めた業者もいる。

 つまり、規模縮小の築地市場の機能を巨大な豊洲新市場に移すことに経済的合理性はあるのか。それにも増して、物流量そのものが落ち込む中で、近い場所に2つの市場が存続できるかという基本的問題が残る。それでも80年以上の歴史を重ねた築地のブランド力を生かした一工夫が望めるなら、まずはお手並み拝見としよう。

 なお、小池氏が目指すのは「日本初の女性宰相」だ。

 「東京・夏の陣」を制した小池氏が、その勢いのまま「冬の陣」となる総選挙まで駆けぬけるには、まだまだ解かなければならない難問題が待ち受けている。

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