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霞ヶ関ファイル

稲田朋美防衛相の記者会見 6・20

日ASEAN防衛協力

【記者】日ASEANの防衛協力に関するプログラムが始まりましたが、大臣の所感をお願いします。

【大臣】資源やエネルギーの多くを海上輸送に依存するわが国にとって、シーレーンの安全確保は重要な関心事項であって、その要衝を占める東南アジアとの防衛協力・交流の強化は重要な課題です。

 こういった認識の下で、今週、日ASEAN防衛協力強化の重点週間と位置付け、昨年11月に私から発表いたしました日ASEAN防衛協力の指針「ビエンチャン・ビジョン」に基づいて、二つの取組みを新たに実施することとしました。まず、「日ASEAN乗艦協力プログラム」は、シンガポール周辺海域を航行中の護衛艦「いずも」にASEAN全加盟国の士官及びASEAN事務局員を招へいし、国際法セミナーや訓練見学を実施することを通じて「法の支配」貫徹のための国際法の認識共有促進や海洋安全保障に係る能力構築支援を図るものでございます。

 また、「日ASEAN自衛隊統合防災演習研修プログラム」は、ASEAN全加盟国の士官及びASEAN事務局員を当該演習のオブザーバーとして招へいし、災害対処における指揮・調整要領を研修することを通じ、人道支援・災害救援分野の能力向上を図るものでございます。いずれの取組みも、ASEAN全体の能力向上を図り、地域の安定に寄与することを目的としたものであり、今後もこのような取組みを通じて、日ASEAN防衛協力を一層推進してまいりたいと考えております。

【記者】自民党の国防関係の会合が開かれていますが、その中で防衛力整備に関する提言に向けた中間とりまとめというのがまとまる予定です。その中では防衛費の整備というのが、NATOがGDP2%を目指していることを参考にするべきだという内容があるのですが、これについて、受け止めと防衛関係費のあり方について大臣の考えをお願いします。

【大臣】自民党の提言に向けた中間整理がまとまる見通しであるという、そういった報道については承知をいたしておりますし、また、自民党において今後の防衛力のあり方について幅広く、さらには精力的にご議論いただいていることは承知をいたしております。しかしながら、党内で検討・議論されている内容の逐一に関して政府の立場からコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、NATOのGDP2%の件についてのご質問についてですが、防衛関係費のあり方に関して、これは何度も私も国会でもご答弁いたしておりますが、GDPと機械的に結び付けることは適当ではないというふうに考えております。

 また、第二次安倍政権の発足まで毎年毎年10年間、防衛費は削減されてきたのですけれども、第2次安倍政権の発足後は、中期防に基づいて5年間実質0・8%伸ばす計画になっており、実際5年連続で増額を図っているところであります。防衛関係費のあり方、これはまさしくわが国自身の防衛力がどうあるべきか、そしてそれの質・量ともにどうあるべきか、そして自らが果たし得る役割りの拡大をしっかりと果たしていくにはどうあるべきかという観点から考えるべきであって、他国から言われて対応するとか、GDPに機械的に決まるというものではないと考えております。

【記者】関連なのですけれども、今回自民党は、政府への提言として基地攻撃能力の保有についての提言事項について、現在の検討状況と保有についての防衛省としての考え方は改めていかがでしょうか。

【大臣】北朝鮮の核・ミサイル開発及び運用能力の向上は新たな段階の脅威にいたっていると考えております。そして、3月30日に自民党から、わが国独自の敵基地反撃能力の保有の検討開始についての提言を含む提言をいただいております。防衛省としても、自民党からの提言についてはしっかりと受け止めたいというふうに考えております。そして、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中において、わが国として何をなすべきかという観点から常に様々な検討を行っていくべきというふうに考えているところでございますが、現在、自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、保有する計画はないということでございます。

【記者】関連なのですけれども、政府として、敵基地攻撃能力の保有に関する研究や調査は行っていないということでよろしいのでしょうか。

【大臣】日米同盟全体の抑止力を強化して、国民の生命・財産を守るために何をすべきかという観点から、様々な点について検討を行っているということでございます。

【記者】伊豆半島沖で米海軍のイージス艦フィッツジェラルドがコンテナ船と衝突して、米海軍の方に死亡者が出たということで、この受け止めと、今回の事故を、MD対応のイージス艦だったということで日米の防衛力の低下につながる懸念はないのか、という点についてお願いします。

【大臣】本件の事故は、6月17日午前1時30分頃、静岡県下田市沖を航行中の米艦船と外国籍コンテナ船が衝突をして、米艦船の乗組員のうち、7名が死亡し、3名が負傷した事故でございます。防衛省としては、自衛隊の艦艇及び航空機を現場海域に向かわせ、行方不明者の捜索、負傷者の搬送等実施をいたしました。本件事故で亡くなられた米艦船乗組員及びご遺族の方々に心から哀悼の意を表し、また、負傷された方々に対して心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復を祈念をいたしております。

 事故原因について、現在、関係機関による調査中であると承知しており、防衛省としては関係機関による調査の結果等踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。そして、もう一つお尋ねのこの事故が、ミサイル防衛に影響はないのかということでございますが、米軍の運用についてお答えする立場にありませんけれども、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で米軍の抑止力を引き続き確保することは重要なことであると考えております。北朝鮮の弾道ミサイル防衛に関して、引き続き、米軍と緊密に連携しつつ、いかなる事態にも対応できるよう緊張感をもって情報収集・警戒監視等に万全を期す所存でございます。

【記者】日米のイージス艦の体制についてですが、両国で連携をして警戒態勢を含んでということだと思いますが、一隻なくなったことで新たに見直す必要というのはあるのでしょうか。

【大臣】米軍の運用についてお答えする立場にないのですけれども、しかしながら、今の情勢の中で、しっかり緊密に連携をして、いかなる事態にも対応できるようにしたいと考えています。

【記者】在日米海軍の空母艦載機部隊の山口県岩国基地への移駐計画に関してお伺いします。山口県の交付金を来年度から50億円に増額するという報道があるのですが、事実関係をお願いできますでしょうか。

【大臣】新聞報道については承知いたしております。空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐等に関連する山口県からのご要望に関しては、現在山口県庁で面談等が実施をされているというふうに承知をいたしておりますので、私の方からその詳細について、この場で申し上げることは差し控えさせていただきます。その上で、再編関連特別地域整備事業、いわゆる県の交付金の事業期間の延長や、交付額の増額等のご要望については、空母艦載機等の航空機騒音等による地元の負担が継続をすると推測されることを考慮して、恒久的な措置を求めている地元の皆様の思いも踏まえて、前向きに検討していきたいと考えております。いずれにいたしましても防衛省としては、山口県と緊密に調整をし、地元の皆様のご要望に最大限応えられるよう取り組んでいきたいと考えています。

【記者】】先ほど沖縄県の県議会、6月定例会が開会しまして、翁長知事が辺野古の工事差し止めを求める訴訟の議決案を提案しました。沖縄防衛局は、県の行政指導に応じず護岸工事に着手し岩礁破砕を行うことが確実だと説明したようですが、県議会で可決されれば再び訴訟ということになりますが、大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】やはり普天間飛行場の危険性除去という意味において、辺野古の移転に関しては、昨年3月に和解が成立して、昨年の暮れには最高裁まで判決が出ているわけであります。そして今の岩礁破砕許可に関しては、今までも何度も申し上げておりますとおり、関係法令を所管している水産庁にも確認をした上で、沖縄県に対して許可申請をしないという旨を伝達しているところでございます。その上で、沖縄県がどういうふうに対応されるかということは、予断を持ってお答えをすることは差し控えておきますけれども、防衛省としては、昨年末の最高裁までの確定判決、そして昨年3月の和解の趣旨に従って、本件事業を進めていく考えでございます。

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