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霞ヶ関ファイル

上川陽子法相の記者会見 11・1/9・1

国際知財司法シンポジウム 11・1

【大臣】今朝の閣議では、法務省案件はありませんでした。

 本日11月1日から、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が施行されました。

 同法に基づき、主務大臣として、監理団体の許可を厳格に行っていくとともに、主務大臣の認可法人である外国人技能実習機構における、技能実習計画の認定や実習実施者等に対する実地検査等の管理監督業務及び技能実習生からの相談・申告への対応や援助等の技能実習生保護業務が適切に運用されるよう、しっかりと指導監督していきたいと考えています。

 法務省としては、本制度を共管する厚生労働省及び外国人技能実習機構とともに、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護が図られるよう、適切な制度運用に努めてまいります。

【記者】本日、技能実習法が施行され、新たな外国人技能実習制度が始まりました。違法な低賃金や長時間労働が問題視される中、技能実習生の保護と制度趣旨の徹底に向け、今後の運用に期待されることを改めてお聞かせください。

【大臣】御指摘のとおり、一部でこの制度の趣旨が労働力の確保策と誤解され、法令違反等の問題事案が生じていることも事実です。技能実習法により、制度の一層の適正化を実現し、外国人技能実習制度が本来の意義どおりの役割を果たすことができるようにすべきと考えています。 法務省としても、本制度を共管する厚生労働省及び外国人技能実習機構とともに、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護が図られるよう、適切な制度運用に努めてまいりたいと考えています。

【記者】10月30日から本日まで開かれている国際知財司法シンポジウムについてお聞かせください。大臣もツイッターでパネルディスカッションを傍聴されたと呟かれていましたが、このシンポジウムの意義と御感想をお聞かせください。

【大臣】10月30日から11月1日までの3日間、弁護士会館2階の講堂クレオにおいて、法務省、最高裁判所、知的財産高等裁判所、日本弁護士連合会等との共催により、ASEAN、中国、韓国の知財事件担当裁判官を我が国に招へいし、国際知財司法シンポジウム2017を開催し、今日も開催をしています。このシンポジウムは、特許紛争を題材とした模擬裁判や商標権等に関する各国の法制度及び実務運用についての協議などを行うものです。本シンポジウムの意義は、知財関係紛争に関する法制度や課題を理解するとともに共通認識を醸成し、アジア地域全体の紛争処理能力を向上させることを目的とするものであり、ASEAN+3を構成する各国の裁判官・弁護士をお招きして、このような議論をするのは初めての企画となります。

【記者】インドネシアとシンガポールに、大臣が7日から13日の日程で海外出張をされますが、狙いを教えてください。

【大臣】インドネシアは、我が国にとって、安全保障上及び経済上、その重要性が更に高まっています。ASEAN地域で特に重点を置いているビジネス環境の整備及び知財分野におけるインフラ整備の推進に貢献をしている法制度整備支援の効果を最大化させ、今後の支援につなげていきたいと考えています。現地においては、インドネシアの最高裁判所長官らと意見交換をする予定であり、極めて重要な会談になると考えています。さらに、法制度整備支援のプロジェクトについて、今以上に、インドネシア側の主体的、積極的な関与を促し、活動の加速化を図るとともに、緊密な連携を保つことが重要であると考え、視察先として選びました。

 また、シンガポールでは、国際的な紛争解決の手段として、国際仲裁が広く利用されていますが、日本においては仲裁機関の利用がなかなか進んでいないという現状にあり、「骨太の方針2017」において、国際仲裁の活性化に向けた基盤整備のための取組みを進めることとされています。国際仲裁の振興に積極的に取り組み、アジア地域におけるハブとしての機能を果たしているシンガポールの取組みを参考にするとともに、仲裁機関との十分な連携体制の構築・強化を図る必要があると考えており、大変重要な視察になるものと期待をしています。

【記者】選挙戦の率直な御感想をお聞きしたいのですが、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は、選挙戦が終わった後に、「安倍内閣の飽きを感じた」とテレビなどでおっしゃっていました。

【大臣】静岡の土地というのは、南アルプス3000メートル級の山々に囲まれた本当に過疎の地域から、中心市街地を含む地域を抱えており、全国の縮図と言われています。その中で、私自身、今回、北端にあります井川という地域に最初に入りました。この井川は60年前に地域の開発をめぐり、賛否両論があった地域であり、現在、子供は小・中学校合せて10人という状況ですが、こうしたところの小さな声、そして、非常に困っているけれどもなかなか表に出せない声というのがたくさんあります。先日には子供たちがいじめなどによって命を落とすといった事例もあり、本当に声を上げられない方々をしっかりと大切にしていくことが、法の支配の光がそうした苦しい状況に置かれている方々も、しっかりと照らすことができるようにしていくことであると改めて感じました。

国家公務員の旧姓使用 9・1

【大臣】私から2件報告があります。1件目は、国家公務員の旧姓使用について、本年8月31日に各府省庁間で申合せが行われ、今後は、対外的な文書も含め、旧姓使用を認めることとなりました。これを受け、法務省においても、所要の準備を行った上で、できる限り速やかに旧姓使用を拡大する運用を開始することとしました。

 そこで、直ちに、職員に対し、旧姓使用を希望するかどうかの意思確認を行うこととしました。それとともに、私から関係部局に対し、早期の運用開始に向けた準備を速やかに進めるよう指示をしたところです。

 この問題については、女性活躍を推進するための重要な取組みの一つであると考えており、法務省としても、できる限り速やかに旧姓使用を拡大したいと考えています。


【記者コラム】旧姓使用は男女格差改善の初歩

 政府はこのほど、国家公務員の旧姓使用を、対外的な書類を含めてすべての省庁で原則認めると発表した。女性活躍推進法が施行してから、1年半。今回の決定は女性が働きやすい環境づくりを一歩前進させるが、男女の格差解消の壁はまだまだ厚い。

 国家公務員の旧姓使用については2001年7月、各省庁人事担当課長会議申し合わせで、職場での呼称、座席表、職員録、出勤簿などで認めることを決めた。しかし、役所の外に出す公的文書まで認めるかどうかは、各省庁の判断に任せられていた。

 民法は、結婚した場合、夫婦は、夫と妻のどちらかの姓を名乗ることを規定しているが、実際は、9割以上は妻の側が姓を変えている。結婚し、新しい姓に変えることを不便と思わない女性がいる一方で、原稿の執筆者名に代表されるように、姓を変えると、仕事に支障がでる場合もある。

 このため、夫婦同姓は、女性がさまざまな不利益を被っており、憲法の男女平等の原則に反するとして、違憲訴訟が起きてもいる。これについて、最高裁は2年前、家族の呼称として意義があるとして、夫婦同姓に「合憲」判断を下したが、女性の不利益は、旧姓の通称使用を広がることで緩和できるとした。この流れからしても、国家公務員の旧姓使用拡大は当然のことだろう。

 世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」、つまり男女平等の度合いで、我が国は昨年、144カ国中111位だった。この数字が日本の男女平等の実情を正確に反映しているとは思えないが、政界への女性の進出や、賃金格差など、政治・経済分野での改善速度が鈍いのは事実である。女性の所得の改善や官民の高位職への登用が大きく進むことが今後の大きな課題だが、それには男女の意識改革が不可欠であることを忘れてはならない。

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