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ガソリン車締出しルールに見る

欧米のカーマーケット覇権戦略

 F1でターボエンジンが禁止されるようになったのは、88年にマクラーレンホンダが16戦15勝で圧勝をしたのが決定的な原因だった。

 プロスポーツの場合、興業要素が強く、客足が遠のいてしまっては元も子もなくなるので、外国人の勝ち過ぎを防ごうとする。

 しかし、プロスポーツでなくても、例えば欧州で開催されるスキーのジャンプ競技で日本人ばかりが勝ってしまうと、不人気競技になり客足が遠のく。関係者にとっては生活に関わることなので、ルールを変えてまでも勝てるようにする。

 スキーでは長野五輪で日本勢は男子団体優勝だけでなく、個人でも金銀銅を獲り大活躍した。直後にルールは改正され、スキー板の長さが身長が高い欧米人に有利なように変わった。それまでスキーの板は身長プラス80センチだった。スキージャンプでは、スキー板が長いほうが浮力を受けて飛距離が伸びるが、余りに長いと危険なため、そう決まっていたのだ。

 結局、その後、しばらく日本勢は鳴りを潜めた経緯がある。

 柔道はオリンピックで「JUDO」になり国際化されたことで、腕力を武器にするレスリングの様なスポーツになってしまった。

 電気自動車への流れも同様の事情が絡んでくる。排気ガス公害に苦しむインドでは2030年には、ガソリン車やディーゼル車の新規市場参入を全面禁止にする。英独仏でも、2040年には同様の措置がとられる。排ガス規制と二酸化炭素による地球温暖化を防ぐというのが表向きの理由だ。

 だが、真意は日本車潰しにあると見る専門家は少なくない。日本にはかなわないガソリン車やハイブリッド車の市場を閉じて、欧米が先行する電気自動車市場を開くことで21世紀のカーマーケットを牛耳ろうというのだ。

 政治力を駆使したルール変更には、覇権戦略が透けて見える。

 早速、英国のジャガー・ランドローバーは9月初旬に、2020年以降に発売する全ての車種を電動にすると発表した。

 なお、SUBARU(スバル)はこのほど、ディーゼルエンジン搭載車の生産と販売から撤退することを決めた。2020年度をめどに終了する。ガソリンエンジンの性能向上と電気自動車(EV)などの電動化技術の開発に経営資源を集中させるためだ。

 思惑がどうであれ、一旦ルールが決まったら、ゴールに向かって走るしかない。

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