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霞ヶ関ファイル

林芳正文科相の記者会見 2・16

【大臣】私から3件ございます。

 まず、高等学校学習指導要領改訂の案についてです。既にメッセージも私から出しておりますが、14日に高等学校学習指導要領改訂案を公表いたしまして、パブリックコメントを開始しました。学校関係者をはじめ、広く国民の皆様から忌たんのない御意見を頂きたいと考えております。今回の改訂は、平成28年12月の中央教育審議会の答申を踏まえて、昨年3月に公示した、小学校・中学校学習指導要領等と同様、現行学習指導要領の基本的な枠組みや、教育内容、これを維持した上で、知識の理解の質を更に高め、確かな学力を育成することを目指しています。具体的には、高等学校において育成を目指す資質・能力を踏まえつつ、教科・科目の構成を改善するとともに、生涯にわたって探究を深める未来の創り手として社会に送り出していくため、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を推進します。さらに、主権者教育、消費者教育、防災・安全教育、オリンピック・パラリンピックに関連した指導の充実などを図ることとしております。また、先日報道にもあった高校の歴史学習に関しては、生徒が親しみのある具体的な歴史的事象に触れ、興味・関心を持って学ぶことが重要と考えており、生徒が歴史を豊かに学べるよう、歴史用語を削減するような規定は設けておりません。なお、特定の見解だけを取り上げるなど、偏った指導内容とならないよう関連の規定を設けております。今回の改訂は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初めての改訂であり、また、大学入学者選抜等の高大接続改革の中で実施されるものでもあり、これまでの改訂以上に重要な意義があるものと考えております。国民の皆様の幅広い御意見を頂きたいというふうに考えております。

 それから2つ目でございますが、本日公表する、平成28年度大学等における産学連携等実施状況の調査結果については、大学等への民間企業からの研究資金等受入額が約848億円、前年度比で約83億円増加しておりますが、これに達しまして、過去最大になりました。こうした背景としては、企業における自前主義の脱却や、大学による外部資金の獲得に向けた自助努力の影響があると考えられます。同時に、文部科学省では、従来の「研究者個人」対「企業の一組織」による産学連携から、大学・企業のトップ同士が主導する「組織」対「組織」による産学連携への重点化を図るため、大規模産学連携協定の構築やマネジメントの強化を進めてきたところです。とりわけ、来年度から新たに大型の研究資金を呼び込み、集中的に研究開発のマネジメント体制を確立するオープンイノベーション機構の整備を全国展開いたします。今後とも、関係府省や産業界と緊密に連携をしながら、資金・知・人材の好循環を図り、更なる産学連携の加速に全力で取り組んでまいります。

 それから3つ目でございますが、本日、文部科学省設置法の一部を改正する法律案を、今国会に提出することが閣議決定をされました。本法案は、文化庁の京都への全面的な移転に向けて、新たな文化庁にふさわしい組織改革・機能強化を図り、文化に関する施策を総合的に推進するための体制を整備するものであります。今後、国会において御審議いただきまして、速やかに成立をいただけるよう努力をしてまいりたいと思っております。私からは以上です。

【記者】平昌オリンピックについて、開幕から1週間で、日本はメダル7個とハイペースで獲得をしております。それについて、大臣としての受け止めをお願いします。

【大臣】大会4日目の12日には、銀1個、銅2個、また6日目の14日には、銀3個、銅1個とメダルを獲得ということですので、正にメダルラッシュということになっております。オリンピックという特別なプレッシャーのかかる舞台で、ずっと人知れず鍛錬してこられた成果を見事に発揮をされました選手たちの活躍に、心からお祝いを申し上げたいと、こういうふうに思っております。文部科学省としても、各競技団体の日常的・継続的な強化活動への支援の充実、さらに、この大会の開催期間中に、現地において選手等が最終準備を行うための医科学情報サポート拠点であるハイパフォーマンス・サポートセンターの設置などにより支援をしてきたところでありまして、その成果が今大会での選手の活躍にもつながっているものと、こういうふうに認識をしております。冬のオリンピック大会の7日目までの成績は、過去最多のメダルを獲得した長野大会でも3個だったということでございますので、今大会、これまででは最速のペースになっておりますので、この勢いで選手の皆さんが全力を尽くして悔いのないパフォーマンスを見せていただけるように、国民とともにエールを送り続けたいと思っております。

【記者】一方で、まだ金メダルについては獲得なしということですけれども、これについての期待感などあればお願いします。

【大臣】先ほど申し上げましたように、ハイペースできておりますので、是非金メダルも大いに期待したいと思います。

【記者】冒頭の学習指導要領の関係ですけれども、今回、高校の学習指導要領が主体的・対話的な深い学び、いわゆるアクティブラーニングが1つ、柱だったと思うのですが、その一方で、学校現場を見てみると、高校は特に多種多様と言われていて、学力差が激しくてとてもできないとか、英語もそもそもbe動詞が分からないという子がいたりとか、しかも先生たちも自主研修をしたくても、なかなか保護者だったり生徒の対応に追われてできないという、かなり困難校もあるというふうに言われているのですけれども、アクティブラーニングとか結構まだ高いというか、目指すハードルがちょっと高いのではないかという、不安だったり懸念だったりの声も聞こえるのですけれども、そういう現実もある中で、今後文部科学省として導入していく上では、どんなふうな対応を取られていくのでしょうか。

【大臣】主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニングというふうに呼んでおりますが、こういう視点から授業改善をしていくということは、例えば、理科の観察とか実験の場面で、教員がやってみて結果だけを見せるということではなくて、例えば生徒さんがグループで主体的に関われるようにするとか、歴史の学習において、単なる事実を覚えるということではなくて、それがなぜ起きたかとか、その後どのように影響があったかということをみんなで考えるということで、こういう知識を相互に関連付けて、より深い理解をするということで、内容自体は既にある活動をどうやるかというやり方を改善していくことを求めるということでございますので、時間自体が何か増えるということではないということでございます。授業改善に向けた準備とか、教材研究などに教師が取り組むことができるように、まずは学校における働き方改革をやって、そちらに集中してもらえるような環境を整備するということが大事だと思いますが、さらに、こういう研究成果、それから実践事例の周知共有をすることによって、各学校で創意工夫をしていただくということを、しっかりと後押しをしていきたいというふうに思っております。

【記者】できる子だけが伸びて、追いつけない子はどんどん追いつけなくなってしまうという心配も聞こえるのですけれども、その点についてはどうお考えですか。

【大臣】そういうことがないように、現場でいろんな工夫をしていただいて、アクティブラーニングというのは、一人ではなかなかできないことですから、グループ全体が伸びていくような格好というのが、1つ望ましい格好ではないかと思っております。

【記者】冒頭、大臣からも御説明がございました、歴史の用語の話ですけれども、豊かに学べるために削減はしないということですが、一方で、歴史について用語が多すぎて暗記の科目になってしまっているという批判も随分前からされていると思うのですが、大臣の御認識としては、今の教えられている用語の数で、この程度で適切だという御認識をお持ちでしょうか。

【大臣】この改訂案をまとめさせていただいて御意見を賜るわけですから、これで我々はやろうというふうに考えているということでございますので、先ほどちょっと申し上げたように、やっぱり親しみのある具体的な歴史的事象に触れるということで、興味・関心を持ちながら歴史を学ぶことが重要ということでございます。そういうふうな考えで、今回の改訂案というのができているということだというふうに思っております。

【記者】現状、暗記が中心になっている科目というようなことでもないという御認識でしょうか。

【大臣】特定の事象等々がまずあって、興味を持っていただくということでありますので、その興味・関心を持っていただくということが大事なことであるので、そのことを全部丸暗記をするための歴史用語ではなかろうと、こういうふうに思っております。

【記者】平昌オリンピックの日本選手の活躍について、最速ペースという話がありましたが、スポーツ基本計画等では、目標と金メダル数が記載されていると思いますが、今のところ、金が取れていない現状をどのように評価されますでしょうか。

【大臣】今、ハイペースで、これまでの最速ペースということでございますので、余り具体的に、今、オリンピックをやっておりますので、メダルの色について期待はすると先ほど申し上げましたけれども、今の段階でそれ以上のことを言うと、選手にプレッシャーがかかるといけませんので、今の段階ではコメントは差し控えたいと思います。

【記者】指導要領の関係で、アクティブラーニングをするには教員の事前の準備に時間をかける必要があるとか、新しい科目がたくさんできることもあって、働き方改革の他に、教員定数の改善であるとか、人手の部分の手当が必要ではないかという意見も現場から出ているのですが、それについて、大臣はどのような姿勢で臨まれるでしょうか。

【大臣】先ほどと同じ答えになってしまいますが、必ずしも学ぶこと自体が増えるわけではないので、やり方を改善していこうということですから、最初は準備をしたり、どういうやり方をするかを、先生もやっていただくことが必要だと思っております。それは正に、教えることそのものでございますので、是非この機会に、先生方にも積極的に取り組んでいただけたらと思いますが、我々も先ほど申し上げましたように、まずは働き方改革を推進して、そちらに集中できるようにするということ、そのために部活動指導員とか地方財政措置要望をして、認められておりますので、そういうことをしっかりとやっていくということと、研究成果とかうまくいった事例を共有するとか、そういうことを研修にいかしていくことを通じて、しっかり後押しをしていければと思っております。

【記者】パブリックコメントですけれども、先ほど、忌たんのない御意見をと言われましたが、昨年度の小中のときも、受け入れたものもあったり、意見がたくさん出ていても反映されなかったものがあったりということがあったと思いますけれども、パブリックコメント自体について、大臣としてどのように重きを置いて、意見を受けて、内容を変えることもいとわないのかどうか。

【大臣】もちろん御意見を聞いた上で、その意見を反映すべきものがあると判断された場合には反映していくということでございますので、是非、忌たんのない意見をいろんな方から頂ければと思っております。

【記者】先ほどの歴史用語の関係ですけれども、今回、削減規定は設けないということですが、現実問題として、アクティブラーニングを取り入れると、教科書のその部分が膨大になるので、歴史用語が減らさざるを得ないのではないかという見方もありますし、検定申請まで2年しかないので、なかなか教科書作成の時間がかかるのではないかという専門家の見方もあるのですけれども、教科書会社、現場への丁寧な説明が必要かと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。

【大臣】アクティブラーニングについては、今から始まるということもあって、まだ、大変なのではないかという印象があるのは承知しております。それは先ほどお答えしたとおり、中身が増えるわけではありませんので、しっかりといろんなことで後押しをしていかなければならないと思っております。その上で、歴史用語については、先ほど申し上げたとおりでございますので、この改訂、パブコメのプロセスに入りますので、しっかりとまとめていって、その上で、できあがったものについてはしっかりと説明していけたらと思っております。

【記者】冒頭発言の産学連携について、先ほど大臣、民間からの大学への研究資金が過去最大になったとおっしゃられましたが、一方、昨年の4月に閣議決定で、制度目標として民間資金をこの10年で約3倍にするという目標が掲げられていて、これにはまだまだ遠く及ばない。目標達成に向けて、今後取り組んでいくことをお考えか、お願いします。

【大臣】非常にいい伸びできているとは思っております。例えば、23年度は589億円だったわけで、順調に伸びてきているとは思っておりますが、高い目標に向けて、今後もしっかりとやっていきたいと思っておりまして、先ほどちょっと申し上げたように、産学連携が大学の一つの研究室と企業の研究開発でやるということが主でありましたけれども、これからは、大学側全体とマネジメント、企業戦略を含めた企業全体との連携ということが大事になってくると思っておりまして、そういう意味で、海外の有力な大学と比べますと、企業に対して提案をする力とかが不足している。それから、部局横断的なチーム編成をするなど、連携の柔軟性がちょっと不足している。財務・知財管理等に関するマネジメント体制が弱いんではないかという課題が産業界から出てきておりますので、企業の事業戦略と密接に結びついた、大型の共同研究の実施を可能とするような大学の産学官連携のマネジメント改革を行うための経費として、今の審議中の予算案に約18億円計上いたしました。未来投資戦略2017等で掲げられている今の3倍にするという目標を活用して、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

【記者】大学のマネジメント強化はいいのですが、一方、人材として、企業じゃなくて大学にいて考えられる人というのは、なかなか人材が少なくて、それをどうやって引っ張ってくる、あるいは伸ばしていくにはどうしたらいいのでしょうか。

【大臣】そういうふうに言われていること自体が問題であって、経営学というのがあるわけですね。MBAなどでは企業戦略を専門にやっている方が大学におられるわけですから、本来ならば、そういうところと研究開発を一緒になった大学全体と企業の戦略部門と研究開発部門が一緒にやるというのが組織対組織であるということで、そのへんがちょっと弱いところがあるというのが産業界からの指摘ですので、そこは大学側にも認識があると思いますので、そういうところを後押ししていくことを一つの中身として、施策をしていければと思っております。

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