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永田町ファイル

希望の党・玉木雄一郎代表の記者会見 1・31

憲法9条2項

【冒頭発言】先ほど衆議院本会議で補正予算が可決をされましたが、わが党は反対をしました。井出庸生議員が反対討論をしたように、財政規律を軽視し、特に補正予算は緊要な予算に限るということが財政法で求められていますが、当初予算を編成した後に生じた緊要な事項に限って予算編成をしたとはとても思えない中身になっています。

 こういったことが常態化していることについては、われわれとしては危惧していますし、大変問題だと思っていますので反対しました。

 なお、具体的な例として、ものづくり補助金で1000億円をまた計上していますが、これは調べてみると、ものづくり補助金は中小企業に出ますが、自己負担も3分の1あります。その自己負担をカバーできるような売り上げが上がっているのは0・1%しかない。補助金をもらってかえって損をしているといいますか、企業にとってはむしろ厳しくなっているという状況もあるということです。さらに中身の精査が必要だと思いますし、本予算の(質疑の)中でもこうしたことをしっかり取り上げていきたいと思います。

 茂木大臣の件ですが、これは国会の審議の中でもありましたけれども、どうも線香は秘書が配ったということです。これは、今防衛大臣をされている小野寺議員が20年前、このことで議員辞職をされておりますので、そういった整合性からいっても問題ではないかと言わざるを得ません。また、きょう総務省から政党支部からの寄付についてという解釈の紙が出てきていますが、驚いたのは、秘書が氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは、直ちに法が規制する「氏名が類推される方法」によるものとは言えないと考えるという公式見解を出しています。

 つまり、議員の秘書が、政党の支部だということで持っていけば、お金だろうがお酒だろうが手帳だろうが線香だろうが何でもオーケーになってしまうということです。(茂木)大臣の答弁をサポートする意味で出したのかもしれませんが、総務省がクレジット入りでこういうことを出すこと自体、私は大変問題だと思いますし、公選法の趣旨に反するのではないかと思います。

【記者】小野寺現防衛大臣を引き合いに出されましたが、玉木代表としても大臣の辞任ではとどまらず議員辞職すべきという考えですか。

【代表】やはり過去の同じ自民党の中の議員での事例もありますので、そこは出処進退を大臣自らご判断をされるべきと思います。

【記者】茂木大臣の件に関して、先ほど泉国対委員長から野党とも何がしかの連携をという話がありましたが。

【代表】この点については、野党が協力して追及していきたいと思います。

【記者】いわゆる公選法の有権解釈で出てきたわけですが、そういうものに対してノーだと言うためには、衆議院の法制局にやらせるとか、その公式見解というのはどういうふうに覆るというか、要するに忖度解釈がまかり通ってしまうということをどう見ますか。

【代表】そうですね。これも初めてきょうの日付で出てきたものですから、おっしゃる通り、忖度解釈というのはその通りだと思います。この点については本当にこういう解釈でいいのかどうか、法の趣旨に照らして正しいのかということについては、われわれなりの考えを整理していきたい。それに基づいて、これは総務省から出ていますから、総務大臣にもしっかりと見解を求めていきたいと思います。

【記者】昔から忖度解釈はよくまかり通っていたのですか。

【代表】いや、こんなことはなかったと思いますね。こういうことが認められるのであれば、これは全く罰せられないのか。本人の名前さえ書かなければ何でもやり放題という。私はこの総務省からきょう出た解釈自体が非常に問題だと言わざるを得ないと思っていますから、総務大臣に厳しく問いただしていくことになろうかと思います。

【記者】茂木大臣の件について、総理に任命責任も含めて何か追及する考えは。

【代表】そうですね。事実関係をさらに追及していく必要があると思いますけれども、仮に法令に触れるようなことがあるとすれば、やはりそれは当然任命権者たる総理の責任も問われるものと考えます。

【記者】国会の本格論戦が始まりましたが、希望の党の質問を聞くと、憲法に関しては今回は触れていないようですが、何か理由があるのですか。

【代表】本予算で(の質疑で)私がやる予定だからです。代表質問でも憲法のこと、9条のことも取り上げましたし、今度本予算になれば、都合が許せば私が質問に立とうと思いますので、それは代表として憲法についての考えをしっかりとただしていきたいと思います。

 ただ、きょう質問を聞いていて、これは民進党の原口議員の質問でしたけれども、9条2項を削除するとフルスペックの集団的自衛権を認めることにつながるので9条2項を削除できないという話が安倍総理からありましたけれども、あれは聞いていてよく分かりませんでした。なぜなら、9条2項を残したままでも「前項の規定にかかわらずフルスペックの集団的自衛権を認める」という書き方もできるわけですから、9条2項が残っていようがいまいが、一体どういう形になるのかの全体像をお示しいただかない限りは、どのような自衛権の行使が改正後に可能になるのかについては分かりません。

 きょうの答弁ははっきり言って詭弁だと思います。

 いずれにしても憲法の議論は9条に限らず重要だと思いますから、しっかりと国会の中でも議論を深めていきたいと思いますし、総理もそういう部分的なことをおっしゃるのではなくて、都合のいいところだけ都合のいい解釈で答えるのではなくて、しっかりと質問にもお答えをいただきたいと、そう思っています。

【記者】先ほど総理の答弁で憲法9条2項を削除しても大丈夫だというのは詭弁だ、との指摘がありましたが、具体的に説明を。

【代表】9条2項が残っていても、例えば「前項の規定にかかわらず」こういうことができると書きさえすれば、9条2項を空文化させることは、それ以外の条文の書き方によっては幾らでもできるわけですから、単に9条2項が残っていることのみをもってフルスペックの集団的自衛権が認められないということにはなりません。そこは、私は総理のご発言はある意味、まさに印象操作のような印象を受けました。ですから、9条2項があること、残されることのみをもってフルスペックの集団的自衛権を認めないということにはならないと思います。ここは全体像を見定めてから評価もしたいし、議論もしていきたいと思います。


【記者コラム】線香配布問題でブーメラン

 民進党との統一会派構想も流産し、党内に火種を抱え続けてお先真っ暗な希望の党。新たな国会開幕で安倍政権を追及する願ってもないチャンスがやってきた。20年前、小野寺五典氏が衆院議員に当選したにもかかわらず地元の支持者らにお礼の線香を配って涙の辞職会見に追い込まれたのと似た事件が発覚したのだ。

 茂木敏充経済再生担当相の秘書が選挙区(衆院栃木5区)の有権者に線香を配布したことが問題になったのである。総務省は茂木氏を側面支援し、秘書が氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは直ちに法が規制する「氏名が類推される方法」によるものとは言えないと考える、という公式見解を出した。

 だが、それで国民は納得できない。玉木雄一郎代表も、「本人の名前さえ書かなければ何でもやり放題という。私はこの総務省からきょう出た解釈自体が非常に問題だと言わざるを得ないと思っている。総務大臣に厳しく問いただしていく」「出処進退は大臣自らご判断されるべき」などと鼻息は強まるばかりだった。

 ところが、その舌の根も乾かぬうちに玉木氏本人の政党支部が3年間で約60万円もの慶弔費を支出したことが判明。立憲民主党副代表の近藤昭一衆院議員、元民進党の菊田真紀子衆院議員らにも線香・供花代を支出した問題が続々と明らかになった。

 思わぬブーメラン効果により、この問題追及の勢いは止まり、野党連携は空中分解してしまった。

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