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女優ドヌーブ、セクハラ告発運動を批判

「男性嫌悪をあおる魔女狩り」

 フランスでこのほど、女優カトリーヌ・ドヌーブさん(74)や女性作家ら100人が連名でルモンド紙に「女性を口説く権利を守る」と題した書簡を寄稿し、「男性嫌悪をあおる女権運動を認めない」として行き過ぎたセクハラ告発キャンペーンに警鐘を鳴らした。

 米国では昨秋、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏が女優やモデルにセクハラで告発された後、加害者と名指しされた芸能人の契約打ち切りや議員辞職が続出。この「ミー・ツー」で知られるセクハラ告発運動は、米国を起点に欧州や日本でも展開している。

 フランスでもこうしたセクハラ告発を支持する抗議行動がパリなどで行われている。

 また、またフランスのカンヌ映画祭の審査委員に、このセクハラ告発運動に取り組んできたハリウッドの女優が選出されるなど、支援の輪が広がっていた。

 昨年、就任したフランスのマクロン大統領も、男女平等社会の実現と性的暴力の撲滅を重要な政策課題に掲げ、こうしたセクハラに反対する運動を後押しした。

 こうした中での、カトリーヌ・ドヌーブさんたちの懸念表明は一石を投じる格好になった。

 寄稿された書簡では「セクハラ被害に対し、女性に声を上げるよう促す運動は、これに同調しなかったり寄り添わなかったりする人を、共謀者や裏切り者にしてしまっている。まるでかつての魔女狩りのようだ」と強い懸念を表明した。

 さらに「レイプは犯罪だが、誰かを口説こうとする行為は犯罪ではない。愛情を表現することをためらう必要はない」として男性の口説く権利を守るべきだと主張。またセクハラ告発の行き過ぎは「女性を保護が必要な子供に貶めること」だと評した。

 この書簡を契機として、フランスでは賛否両論の熱い論争が始まった。

 その賛否両論は現在、拮抗状態でどちらが優勢ともつかない状況だ。「魔女狩りだ」とドヌーブさんたちの懸念に対し、フランスの女性団体は「多くの女性達が性暴力に苦しんできたことを軽視している」と反発を強めている。

 これに対しドヌーブさんは「セクハラがよいことだと言ったわけではない」とした上で、「私達の発言で傷ついた性暴力の被害者には謝罪したい」と陳謝したものの、一方で「30年もの前の行為を、SNSで告発され、裁判もなく辞任に追い込まれるような事態は、私が愛する自由な社会ではない」などとして改めて懸念を表明した。

 また、女優のブルジッド・バルドーさんも「女優という職業は、一般の女性とは異なる」とし「運動は偽善的だ」とこの論争に加わってもいる。

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