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「金融危機」前夜の中国?

金融商品の債務不履行急増

 中国で「理財商品」と呼ばれる金融商品の配当遅延や債務不履行が、急拡大している。 これを金融危機前夜と見るか、一部焦げ付きと見るか見方は分かれるところだが、中国の楼継偉・前財務相がこのほど「現在の中国の金融危機は、リーマンショック前の米国が直面した危機より、はるかに高いものになる恐れがある」とショッキングな発言をしているところを見ると、世界を揺さぶる中国発の金融危機が発生するリスクに注意を払っておく必要があろう。

 楼氏は現在、中国社会保障基金理事長の役職にあるが、2013年から3年間、財務相として金融制度改革に携わった中国金融の奥の院を知る人物なだけに、その警告は正面から受け止めるべきだ。

 「理財商品」は大きく「信託商品」と「銀行理財」に分かれ、「信託商品」は日本で言うところの「投資信託」で、ハイリスク、ハイリターンの類が多い。日本も欧米先進国も「投資信託」の元利は保証しない。

 富裕層や企業を対象にした大口の「信託商品」は、17年時点の残高が24兆元(約408兆円)、銀行が販売し、小口投資できる「銀行理財」は28兆元(約476兆円)、合計52兆元(884兆円)に上り、日本の国内総生産(GDP)より多い。

 この合計残高は3年前の1・8倍に増え、銀行融資の4割に相当する規模に膨らんでいる。

 最近の債務不履行は主に「信託商品」で生じているが、900兆円近い債権の4割が不良債権化する恐れがあるともされる。

 わが国は1991年のバブル崩壊で、100兆円近い不良債権を銀行が抱え込んだ経緯がある。日銀は銀行救済に動き、銀行への貸出金にゼロ金利の優遇措置を適用、銀行はそれで鞘取りができた。それで一年間の鞘取りで銀行は約5兆円ほど稼ぎ出し、10年で50兆円、結局、100兆円規模の不良債権の穴を埋めるのに20年かかった。

 日本経済の「失われた10年」、「失われた20年」とはそういうことだった。100兆円の不良債権というのはそれほどの経済破壊力がある。

 だとすれば、中国で約900兆円の債権のうち4割が不良債権化すると、その額や360兆円。

 これがどれほどの経済破壊力になるか、わが国のバブル崩壊の教訓から推して知るべしだ。

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