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中国、コバルト独占へコンゴへ巨額資金

アフリカの闇、武器として性暴力行使も

 中国はアフリカの奥地コンゴ民主共和国(旧ベルギー領)へ大々的な進出を決めた。

 コンゴは熱帯雨林と湿地帯、山岳地帯と地理的条件が悪く、輸送インフラが未整備で運送は河、湖に依拠、ハイウエィは途中を繋ぐだけだ。

 それでもコンゴの輸出の9割をレアメタルが占める。携帯や電池などで必須となるコバルトなどレアメタルの宝庫。その推定埋蔵は26兆ドルと推定されるほどだ。

 コバルト生産ではコンゴは世界一を誇る。「地の妖精」と呼ばれる白銀色のレアメタル・コバルトは、コンゴが世界市場の65%を握っている。

 コバルトは磁気テープやスピーカ、顔料、新聞輪転機などの紙切断などに使われている。また、コバルトが次世代のリチウム電池に使えることが判明したことで、電気自動車(EV)生産で車両生産の覇権を構築したい中国は、コバルトの独占的確保に躍起となっている。

 中国鉄路工程総公司や中国有色鉱業有限公司などが虎視眈々と有望鉱山を狙い、また鉄道のアクセス建設を中国主導で進めるためにアンゴラやコンゴと協議を続けてきた。

 特にアンゴラに海底油田の鉱区をもつ中国は、首都のラカサに四万人規模のチャイナタウンがある。さらにアンゴラはコンゴとの間に軍事協定がある。そのコネクションは強く、中国はアンゴラルートを経由してコンゴに近づこうともしている。

 中国のやり方は、大風呂敷を広げることだ。

 中国はアフリカ大陸の東西を横切る鉄道建設「アフリカ版シルクロード」の建設を持ちかけ、これをバーゲニングパワーにアフリカ諸国に働きかけを行っている。

 なおコンゴ東部では、豊富な鉱物資源を押さえて軍や武装勢力の資金源とするため、これらの地域で性暴力は意図的な紛争手段として利用されている。

 性暴力は性的衝動の罪ではなく、コストのかからない安い武器なのだ。夫や子供など家族や大衆の前で暴行し、家族の絆やコミュニティーを壊す。6カ月の赤ん坊から、80 歳の老婦人が犠牲者になったこともある。しかも、レイプされるのは女性だけとは限らず、男性も時にターゲットになる。往々にして男性被害者は女性被害者より社会復帰が難しく、自殺者も多い。

 結局、人々はトラウマに悩まされ、恐怖におびえるようになる。レイプされた女性は夫や親族から疎んじられもする。

 軍や武装勢力は、強制力を駆使しなくても人々を地域から移動させることができるし、残った人間を奴隷のように働かせることで労働力も確保できる。

 しかし、最も暗い場所では光が鮮烈な力を持つように、希望となる人物も輩出している。

 パンジ病院長デニ・ムクウェゲ氏は暗殺の試練に何度も遭遇しながら、医療だけでなく、精神的なケアと司法手段を通じ、性暴力被害者に献身的な治療にあたっている。ムクウェゲ氏は1999年、コンゴ東部のブカブにパンジー病院を設立し、これまで4万人以上のレイプ被害者を治療してきた。

 ムクウェゲ医師は、なかなかいるような人物ではない。アメリカで黒人の公民権運動の指導者として活躍したルーサー・キング牧師のような人物に匹敵する素晴らしい人格との評価もある。アフリカには、勇気があってポジティブな影響を与えることができる、そうした人物が必要だ。

 人権保護者として死を賭しての献身的な実績が評価され、ムクウェゲ医師はこれまで国連人権賞やサハロフ賞などを受賞、ノーベル平和賞にもノミネートされてきた。2016年5月のタイム誌が特集した「最も影響力のある100人」にも選ばれている。

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