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2011.08.17

「脱原発」方針表明は違憲か?

 7月13日。記者会見を拒み続けてきた菅首相が久しぶりに行った会見で表明したのが「脱原発」方針の表明だった。閣僚と議論をした形跡もなく突然の重大な方針変更発言に、民主党幹事長担当の記者たちも驚いた。

 「脱原発に向けての具体的なプロセスや時間軸は示されなかった。自ら退くことを表明されている総理が具体的な手順に踏み込まなかったことは、新政権を縛らないという意味で評価できることなのか」(朝日記者)とか「鳩山前総理のときも普天間問題などで『総理の思い』を具体策がないままにおっしゃって、翻弄された経験もあるかと思う。民主党の総理2代続けて、『思い』が先走って具体策が見えてこないという発表の仕方について、どうお考えか」(読売記者)などと質問が噴出したのは当然のことだ。

 ただもっと本質的な疑問として、「閣議を経ずに会見で重大な方針変更を表明したことが、憲法上、この発言が適切だったか」ということがある。読売新聞(7月21日)がこの問いについて解説しているように、「憲法は、大原則として『行政権は、内閣に属する』(第65条)とし、政府として行動するときは、首相はまず閣内をまとめてから、内閣の代表として行動すべきことを規定している」のである。「憲法尊重義務(第99条)に違反し、首相失格」との指摘も正鵠を射ている。内閣支持率さえ上がれば、という動機で延命を図っていることはこのことからもうかがえるが、わが国の首相が憲法違反に触れかねない言動を繰り返すようでは、政治への信頼は完全に地に堕ちよう。

2011.08.17

自民党らしさをどう取り戻す

 内閣支持率が10%台にまで落ち込んでいる菅政権の現状についての質疑が14日の谷垣総裁記者会見で出たが、これまでの永田町感覚なら、支持率が2割を切った段階で衆議院の解散・総選挙は秒読み段階に入るというのが妥当な分析と言えよう。

 ところが、谷垣総裁が「(解散があるのかないのか)まったくわかりません。常識外の行動をされるかもしれないとは、思います」と述べたように、菅直人首相の考えを全く読めずにイライラしているのが自民党幹部たちの実情のようだ。

 退陣3条件を自ら提示し、そのハードルを規準に与党内で「菅降ろし」のためのさまざまな仕掛けが見え隠れしているわけだが、どれも勢いが加わりそれが大勢となる見通しはない。あまりにも与党がだらしなく、首相のペースに乗せられ続けるなら自民党をはじめとした野党による内閣不信任決議案の再提出もあり得るのではないか。「一度提出して否決されたが、その後、新設の大臣も加わるなど内閣が変わった。法的根拠も再提出を拒むものではない」と自民党幹部は攻めの姿勢を強調した。

 だが、問題は攻め抜いて目標を達成した後の自民党自体の態勢が整えられるのかだ。会見で指摘された内閣支持率は、時事通信社が実施した7月の世論調査結果だが、自民党の支持率も15・0%と前月より0・4%増えただけ。支持政党なしは67・4%とさらに増えている。これで解散になって戦えるのか─。

 イライラしているだけではダメだ。本来の自民党らしさをどう取り戻すのかの議論が全く欠落している。