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2011.09.10

性急な人権機関創設は厳禁

 この日の記者会見の冒頭から、江田五月法相は、いつになく強い口調で人権救済機関の創設への決意を語った。もともと自民党時代に起案されたものだが、問題点があまりにも多く、新たな人権侵害を生み出す可能性が大きいとの理由から、保守系議員が猛烈に反対し廃案に追い込むことができた。

 ところが、民主党議員の多くがこの問題に熱心で、政権の中枢にあって最も強い関心を示してきたのが千葉景子前法相と、江田法相だった。法相が「私はだいたい責任者をずっとやっておりました。したがって、このシステムを何としても、とにかく生み出したいという思いが大変強」い、と語っていることからもそれが分かる。

 菅政権末期というスケジュール感からか、江田法相は、再び頓挫することがあってはならないので「100点満点ではない」が、とにかく法案作りを急ぎたいという。そして、同法の成立後に、修正法案を出して望みの内容に改めたいという狙いがあるのがうかがわれた。

 確かに、「まず成立ありき」であることから、さまざまな問題箇所のハードルは下げられた。救済機関に強制力を持たせず、調査拒否に対する罰則を外し、調査は任意とした。だが、人権擁護委員になれる資格を地方選挙権を持つ者としているが、将来的に民主党の基本政策との兼ね合いから、外国人の参加に道を開くことにならないか。人権侵害の定義もはっきりしていない。性急な創設は厳禁である。

2011.09.10

パーシャル連合でも解散目指す

 民主、自民・公明が大連立を形成する案は、3・11東日本大震災発生直後、盛んに言われたが、菅直人首相が延命にこだわったため消えた。ようやく菅首相が辞めるとなって岡田克也民主党幹事長や野田佳彦財務相らから大連立の話が再浮上したが、自民党としてはいまさらの感が極めて強い。

 石破政調会長は「野田大臣は101回でもプロポーズしたいという事だそうだが、何のための大連立か、そして大連立の定義は何か、そして一昨年の政権選択選挙において示された主権者の意思をどう考えるのかということについてなんら言及がない。とにかく大連立、大連立と言うことは、あえて言葉を選ばずに言うならば誠実性を欠くのではないか」と手厳しい。

 「衆参ねじれ国会を円滑に運営したい」というのが与党・民主党のホンネなのだが、そこに自民党が大臣ポスト欲しさに安易に乗っかれば、国会が野党のチェックのない大政翼賛会になってしまうと国民から批判されるのがオチだ。今も震災直後と同様、復旧・復興支援に全力を挙げなければならないのは確か。だが、来るべき衆院総選挙を念頭に置けば、大連立構想は自民にとりマイナスだ。

 現実的には、石破氏が「個々の政策ごとに3党が協議を行い結論を出す。そして、結論を出した以上は衆参において責任を持つというあり方は評価されてしかるべきだ」と語るように、政策協議を重視したパーシャル(部分)連合を進めつつ解散総選挙を目指していくというのが筋論だと言えよう。

2011.09.10

最後までメディアにイライラ

 岡田幹事長のメディアに対する警戒感、不信感は非常に強いという印象だ。かつて何度も痛い目にあったことがあるとの趣旨の発言を聞いたことがあるが、記者会見の場でも時々聞かれた。8月11日の会見でも冒頭から、「今日、ある朝刊を見て大変驚きましたが、何か特定の候補者のために私が(代表選挙を)急いでいるというような記事がありました。私はそういう記事に対して極めて怒りを覚えずにはいられません」といった具合だ。

 昨年11月29日にも似たような議論が会見で行われた。幹事長が小沢一郎元幹事長の国会招致問題について、一部報道が「断念」としたことに腹を立て「私がどういう話をしたか記録を持っている」と語ったことに対して、「幹事長の発言と報道とのギャップについてなぜ生じるのか」とフリーの記者が質問した。これに対して、幹事長は「どうしてああいう報道、表現になるのか全く納得できない」と不信感を丸出しに。伝聞という形であれ、事実を報道していないとして産経新聞を名指しで批判したこともあった。

 岡田幹事長は「こう言うとこう書かれるだろうから発言しない」といった趣旨の発言をたびたびしてきたが、生来の慎重な性格をさらに意識して慎重にしているからだろう、ほぼ一年間の幹事長会見は「常識内のコメントばかりだった」(会見出席記者)。

 政権も末期となってきた会見でもメディアに対して複雑な心境を吐露するのも岡田幹事長らしいと言えよう。