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2011.11.10

「原発=悪」の会見は何も生み出さない

 福島第一原発事故により、同原発から半径20キロ以内が警戒区域とされたが、年間の被曝線量が、避難を求める基準の20ミリシーベルト未満の場所が約半数を占めている。

 また、年間20ミリシーベルト程度なら、健康に被害を及ぼさないと言う学者の意見もある。しかし、政府は、放射能というだけで不安を煽るマスコミ報道に踊らされる住民を配慮し、細野大臣はこのほど、通常より年間で1から5ミリシーベルト多い数値となることが検出されている土壌の除染も行うと表明した。

 10月14日の記者会見では、その流れの中で、汚染された瓦礫の中間処理施設の問題、プルサーマルをめぐる、やらせメール問題、さらに反原発デモを後押しするような質問で政府への追及が行われ、大臣は質問をすり抜ける答えで対応するというやり取りが続いた。

 だが、こうした除染、警戒区域の設定を進める上で、低線量放射線の影響が明確でなければならない。しかし、それが最後の質問にあるように、専門家が乏しく研究が蔑ろにされてきているのが現状だ。

 このほど来日したIAEAの調査団も、国が除染に責任を持つ基準を年間1ミリシーベルト以上にしたことについて「野心的で時間がかかる」と細野大臣に再考を促している。楽観視は禁物だが、しっかりとした根拠に立った原発行政が行われなければ、却って時間と費用ばかりかかるだけである。

 細野大臣は、放射能基礎医学総合研究所の米倉義晴理事長と会い、人材をどう育成すべきか聞きたいとも発言。今回の事故から得るべきことは、漫然とした恐怖や風評ではなく、低線量放射線についてのきちっとした分析とデータだ。そうした方向に舵を切る上でも、記者会見の役割は小さくない。

2011.11.10

急増する外相のぶら下がり会見

 最近、玄葉外相の会見は、ぶら下がりが多い。外相の定例記者会見は毎週、火曜日と金曜日にあるが、10月に、外務省の記者会見場で正式に行われた記者会見は、4日を除いて行われていない。その代わりに、ぶら下がり会見がセットされている。日程が立て込み「正式会見を開くほどの時間がない」(報道課)との説明だ。

 11日は外務省の大臣接見室前で、21日は首相官邸、25日は院内で閣議後のぶら下がり会見となった。その他の7日、14日、18日は海外出張や沖縄訪問により中止となっている。

 野田佳彦首相が、ぶら下がり会見を行わないことを決定したのとは対照的である。もっとも外相のぶら下がり会見は、正式会見を代用するものであり、総理に番記者が、毎日、何かを聞くスタイルのものとは異なる。

 外務省の大臣接見室前で行われた11日のぶら下がり会見は、外相の東南アジア訪問を目前に控えて行われたもので、大臣の説明は4日の会見内容と多少、重複していた。

 ただ、シンガポール、マレーシアが環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟しており、政府や民主党党内で、TPPに参加するのかしないのか、議論を集約しなければならない状況になっていたことから、TPPに関する質疑がかなりウエートを占めた。

 玄葉外相は、日本が人口減少を90年代半ばから起こしており、労働力が減っていることを示しながら、アジア太平洋40億の経済的活力、日本国内の内需と考えて打って出る必要性を強調し、「子供たちに未来を開きたい」と訴えた。

 玄葉氏は、就任当初から、東アジアの活力とリンクすることが肝要との考えを一貫して述べており、4日の会見内容にあるように、この地域での航行の自由の確保、紛争の平和的解決、国際法規の遵守を目指しながらやっていく所存だ。