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2011.12.10

テロ防止に警察、自衛隊、海保投入

 原発事故発生以来、東京電力が本社で行ってきた政府・東京電力統合対策室の共同会見で、何回か福島第一原発事故の敷地内の取材を求める質問が出た。それが11月12日、ようやく実現したが、許可されたのは大手マスコミの記者にほとんど限定した取材となった。細野大臣が会見で述べた様に、今後、状況をみて取材記者の範囲を拡大して行くという。ただ、安全上、仕方ないにしても、記者は防護服に身を固め、当局が用意したバスに乗り込みっ放しという「不甲斐ない」ものだった。

 政府はまた、11月14日、原発へのテロ対策を講じることを決定。柏崎・刈羽原発を取材したことがあるが、陸上での出入りは管理されていたものの、海に対しては全く無防備。この点について翌15日の会見で質問された細野大臣は、警察、自衛隊、海上保安庁で連携して防備に当たると指摘。加えて、来春設立される原子力安全庁の重要な任務の一つが、テロ対策と強調したが、今頃になってテロ対策に本腰を入れるとは、何とも心もとない限りだ。

2011.12.10

形骸化しかねない会見オープン化

 玄葉光一郎外相は、この4日の記者会見に見られるように質問に直接的な答えをするのではなく、一般論を語ったり、回答を留保したり、前提条件によって色々と答えは変わるような言い方をするなど、記者にとっては、なかなか記事になるような答えをしてくれない大臣という印象を与えつつある。

 また、この日は、「大臣会見等に関する基本的な方針の改訂」を発表。これまで火曜日と金曜日の午後、夕方に外務省会見室で会見してきたが、速やかで機動的な発信を行うため、火・金曜日の閣議後に、まずきちんと発信し、これにプラして次週から毎週水曜日午後にこの場で記者会見をすると表明した。

 週2回だった発信の機会が週3回に増加する、院内のぶら下がり会見だと入れないフリーの記者もいるのでできるだけ外務省に帰ってくる、という2点を強調。 だが、閣議後の午前の会見は忙(せわ)しなくて時間も短く、大手マスコミの記者の質問だけで時間切れとなりやすい。2年前に会見オープン化の口火を切った岡田克也外相時は、会見時間も約一時間と長く、外相も会見のやりとりを楽しみ、フリー記者の質問もどんどん行われた。

 玄葉外相の方針とは裏腹に、記者会見のオープン化が形骸化しかねない状況だ。(Y)

2011.12.10

先送り許されぬ死刑執行

 16年あまり続いたオーム真理教裁判が終結したことで、死刑執行問題が野田政権の政治課題として浮上してきた。死刑確定者はオーム関係だけでも13人。全体の死刑囚は120人を超えている。2011年は11月末現在で、一人も執行されていない。年間を通じ死刑執行がゼロとなるのは、1992年以来のことだ。

 民主党政権下での法相は千葉景子、柳田稔、仙石由人、江田五月、そして平岡氏で5人目。その中で死刑を執行したのは千葉氏だけ。千葉氏は昨年夏、死刑の是非を考える勉強会を法務省内に立ち上げたが、論議と執行は別次元の問題で、勉強会が続いているからと、死刑執行を先送りするのは「逃げ」でしかない。

 平岡氏は超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」には所属していない。しかし、法相就任会見で「死刑執行については、これまで悩みながら考えてきた」と述べたように、死刑慎重派。もし執行する意思がないのであれば、法相の椅子に座るべきでない。そうでなければ、判決確定日から6ヶ月以内に法相が死刑執行を命じなければならない、と定める刑訴法を法相自らが無視することになる。 

 平岡氏は11月13日、10年前に大津市で、当時16歳の高校1年生が少年2人から暴行を受け死亡した事件をめぐり、テレビ番組で配慮を欠く発言を行ったとして、被害者の母親を訪れて謝罪した。「悪いことをした子供たちにもそれなりの事情があったんだろう」と発言したのは4年前。すでにHPや電話で謝罪していたが、国会で野党から批判を受け、直接謝罪したものだ。

 加害者側に同情を寄せた当時の発言は、弁護士でもある平岡氏の本音だろうが、ナイーブ過ぎた。国会議員としてなら、情緒的でリベラルなスタンスでも通用しようが、大臣となるとそうはいかない。「法と秩序」に関わる死刑執行問題を先送りすることはもう許されない。

2011.12.10

尖閣諸島に漁港・避難港を

 中国の外交戦術は硬軟両様だ。11月23日、玄葉光一郎外相を北京に迎え友好ムードを演出する一方で、沖縄本島と宮古島の間の海峡を6隻の軍艦を通過させた。これに対する民主党政権の反応は極めて鈍感だった。中国と摩擦を生じさせたくないのがホンネで、日本の安全保障に関わる事態に至っても見て見ぬふりを決め込んでいる。こうした事なかれの弱腰姿勢こそが国民の政権不信を深めるのである。

 21日の輿石幹事長の定例記者会見でもそうだ。フリーの女性記者が、超党派の「日本を領土を守るため行動する議員連盟」が15日に開催した「尖閣諸島の魚を食す会」の話題を取り上げながら、中国や台湾の漁船とのトラブルを解消するための姿勢を尋ねたのだが、幹事長は「これは大変神経質で微妙な問題を含んでいる」「慎重な上にも慎重を期す」と逃げ口上ばかり。

 それに我慢がならなかったのだろう。女性記者は「尖閣は島なのでその周りに領海とEEZ(排他的経済水域)が認められると思うが、その領域においては日本が漁業権を持っていると思う。これがどうして国際問題に発展するのか」と正論を展開して追撃した。しかし、それでも幹事長は「ほかの国からおまえの領土の範囲じゃないよということだってあり得る。だから、微妙な外交問題にも発展しかねないと申し上げた」とかわした。

 だが、これでは外交問題に発展することを恐れて、始めから何もしないで難を逃れようとする尖閣諸島沖の漁船衝突事件の時と変わらない。尖閣諸島のある沖縄県石垣市の中山義隆市長は先の「食す会」で、「尖閣周辺の魚は種類も豊富で、非常に大きい。安心して漁をできるようにしてほしい」と強調。それに応えて山谷えり子議連会長が「港の整備」の必要性を指摘した。日本は中国に遠慮することなく、漁港、避難港、レーダー施設の整備などに着手すべきなのだ。