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2014.11.22

自公連立に水差す沖縄公明

 わが国の安全保障政策に大きな足かせになっているのが沖縄の公明党だ。今年1月に行われた名護市長選でも、辺野古移設推進派の候補を自民とともに推薦せず、自主投票にしたことで反対派の市長再選に〝貢献〟した。国政レベルで連立を組む両党であるなら、各種選挙でも共闘するのが基本のはずなのにだ。 

 11月の沖縄県知事選でも、改めることはなく同様の自主投票になった。谷垣禎一幹事長は「できる限り足並みをそろえていこうという気持ちは公明党も持っていただいていると思います」とは語るものの、推薦を得られず、負け戦を強いられることを苦々しく思っているようだ。 

 この沖縄公明党の唯我独尊的な姿勢を許している原因の一つは、山口那津男代表に説得力と政治力が不足しているからだ。名護市長選で敗北した際には、「自主投票という地元の判断だから、わが党の基礎票を集約しきれなかった」と述べたが、今度の知事選でも同じようなコメントをするに違いない。説得力がないのは、日米同盟の根幹ともいわれる普天間基地の辺野古移設の意義を十分に理解していない可能性があるから、ともいえる。 

 自民党は、これを追認するだけではだめだ。「国政の上でも、安全保障政策等々に深甚な影響を持った大事な選挙」(谷垣幹事長)と考えるなら、「推薦を得られなければ連立を解消する」ぐらいの本気度を求めたい。

2014.11.22

「政治とカネ」でブーメラン

 今から10年程前、年金のCMに登場していた女優・江角マキコさんの年金未納問題を追及したり、未納が明らかになった3大臣を当時のNHKヒット曲「だんご3兄弟」にかけて「未納3兄弟」と呼んで激しく非難した菅直人氏本人の未納・未加入が発覚したことを髣髴とさせるような情けない今国会となっている。 

 小渕優子経済産業大臣と松島みどり法務大臣が「政治とカネ」の問題で同じ日にダブル辞任した。記者の質問に海江田万里代表は安倍政権に「おごり、あるいは緩みがあったのではないか」と語ったが、確かに行う必要も無かった内閣を改造して「極めて異常な出来事」(同代表)になってしまった背景には、驕りや気の緩みがあったのは間違いない。事前の〝身体検査〟が不十分だったことは明らかだ。 

 ところが、そう追及していた民主党にも「政治とカネ」の問題が次々と発覚。枝野幸男幹事長はじめ大畠章宏前幹事長らの政治資金報告書の記入漏れが指摘されるというブーメラン現象が起きているのである。「国会はまるでスキャンダル合戦だ」との指摘も出るほどだ。 

 国会経費は1日開くだけでも1億円かかることを考えれば、一体いつまで泥仕合をするのか。国家の安全保障、経済再生など待ったなしの課題は多い。地方創生は与野党の別なく議論し早く着手しなければならないテーマのはずである。

2014.11.22

一転、保守論客の面目躍如に

 下村文科相は、8月15日の記者会見では、従軍慰安婦問題について、弱腰の姿勢が目立っていた。いわゆる朝日新聞の「吉田清治証言」誤報問題に関して、文科省の検定済教科書は、吉田証言を根拠にした「歴史教科書」はなかったと説明するにとどまっていた。  

 朝日新聞が、「吉田清治証」に基づいた従軍慰安婦報道は誤りだったと、大々的な訂正記事を出した直後の記者会見でのことだ。  

 もともと「民間では、吉田証言というのは相当問題だということは、随分前から指摘されていたこと」という見解を表明し、「既に検定合格した現行の教科書における慰安婦に関する記述の訂正を発行者に求めることは考えておりません」としていた。  

 だが、今回の記者会見での表明によれば、下村文科相は、従軍慰安婦という言葉そのものが、後になった作られたものであり、政府見解でも、軍が関与していた事実はないとしている、と述べているのだ。  

 確かに、1993年に河野洋平官房長官が談話を発表した時の副官房長官、石原信雄氏は、昨年2月、国会で「女性達を強制的に集めるといったようなことを裏付ける客観的なデータは見つからなかった」と述べている。  

 こうした裏付けをもとに、食い下がる記者に対して、従軍慰安婦の存在そのものに疑念を示す意見をきっぱりと述べた。  

 この問題で、ようやく保守政治家としての面目躍如たる姿勢が示された形となった。(亀)

2014.11.22

危険性ばかりでなく冷静な説明を

 いつものことながら、海外からの感染症が空路などを通じてわが国に侵入した疑いが判明すると、ニュースで大騒ぎになる。厚労相も会見で懸命に水際作戦を講じていることを強調する。  

 2009年も、豚(新型)インフルエンザの感染者が成田空港から都内に入った、として大騒ぎとなり、舛添厚労相(当時)が記者会見で沈静化に追われていた。だが、被害は思っていたほどではなく、その後厚労省により、季節性インフルエンザと同様の扱いとなった。  

 ただ、現在、西アフリカを中心に感染が増大しており、一万人以上の感染者と数千人の死亡者が出ていると見られている。オーストラリアは、これらの国々からの一時的な訪問者に対してビザを発給しないという措置を講じた。  

 日本では、そうした政策決定は行われていないが、当該国にいる夫を日本にいる日本人妻が呼ぶための入国ビザ書類の郵送が、意図的に遅延されているという情報もある。  

 記者会見ではまた、危険性をあげつらうだけでなく、感染経路を改めて述べ、いたずらにパニック状態にならないようにすることも大臣の任務であろう。  

 重症化すると白血球数や血小板数が減少し、歯肉や鼻からの出血、吐血、下血といった出血症状が出るエボラ出血熱だが、空気感染や飛沫感染はない。  

 感染している人や動物の血液・体液を触り、手の傷、目や鼻、口の粘膜からウイルスが侵入しない限り大丈夫、というのが専門家の見解である。(石)

2014.11.22

「女性の活躍」で数値偏重は危険

 女性の登用に対する積極姿勢を強める安倍内閣で、その象徴と見られていた松島みどり前法相、小渕優子前経産相が就任まもなくして「ダブル辞任」。その松島氏の後任として白羽の矢が立ったのが上川陽子法相だ。 

 野党は辞任ドミノを狙って、閣僚のスキャンダル探しにやっきになっている。そのターゲットは女性閣僚。その意味では、党務に堅実な手腕を発揮してきた上川法相の登用は手堅い。とくに、東大卒業後、シンクタンクに務め、また米上院議員の政策立案にも携わった経験から、政策に明るいと定評がある。記者会見の受け答えを見ても安定感がある。 

 女性が輝く体制作りは、官庁の組織の中でもその実現が期待され、野党も後押しせざるを得ないテーマである。 

 しかし、数値目標に固執すると、肝心の仕事に支障が出たり、逆に現場の女性を苦境に追い込むことになりかねない。なぜなら、出産して子育てに関わることに手抜きをしたくないという女性も多く、女性としての特性はどうしても無視できないからだ。それでも、仕事と家庭を両立させようとすると、両方に支障がでる懸念もある。 

 女性が働きやすい職場にすることは重要であるが、数値目標の実現は焦ってはいけない。女性閣僚2人の辞任は、数値偏重の危険性を示したのである。 

 初登庁後の記者会見で、上川法相は大久保利通の座右の銘「為政清明」をあげて、「国民の声によく耳を傾け、明るく澄み切った心で法務行政に臨む」と語った。女性の登用では現実を直視しながら、焦ることなく堅実に歩を進めることが国民の期待に応えることだろう。