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2015.07.20

安保法成立後に沖縄紙調査を

将来有望と目されていた木原稔衆議院議員(熊本1区)が「党則、党規律規約に基づき一年間の役職停止処分」となり、党青年局長ポストをクビになった。「文化芸術懇話会」という安倍首相支持の若手議員の会合で6月25日、講師に招いた作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞は つぶさないといけない」などと発言したことが、野党から国会追及され、それに耐えられなくなった谷垣幹事長が怒りの更迭人事を断行したわけだ。

記者会見で谷垣氏は「報道の自由」に反するなどとさまざまな理由を挙げたが、ホンネの部分は衆院で審議されている安保法制への悪影響だろう。記者から「平和安全法制の審議への影響というのも考慮したのか」と質問され、「今全体としてデリケートな議論をしているときというのは背景に確かにある」と答えているからだ。せっかく、国会の会期を9月27日までと過去最多の延長幅にし、じっくり議論をしようとした矢先のことだからだ。

記者が党としての「気の緩み、驕りが背景にあるのでは」との質問に谷垣幹事長は、それを否定的にかわしたが、気の緩みが原因であることは間違いない。党の実質的責任者である幹事長の指導力が問われているのである。

確かに今は、安保法制の成立が第一だ。しかし、その後においては「懇話会」での諸発言をしっかり検証して対応すべきは対応したらいい。特に、沖縄の県2紙がどれほど公正を守り真実を伝える新聞であるか、その調査を党として徹底して行ったらいいだろう。

2015.07.20

不安煽る言葉遊びに国益ない

抑止力を向上させ戦争になる可能性を小さくするための平和安保法案に対して、野党の多くは「戦争ができる国にする違憲法案」と主張して反対している。なかでも目立つのが、民主党の辻元清美、枝野幸男の両氏だ。

6月19日の衆院特別委では辻元氏が「徴兵制を禁止する明文規定が(憲法に)ないのに、なぜ徴兵制を禁じているのか」と質問。さらに「(憲法に明文規定のない)集団的自衛権の行使容認と同じ手法で、安保環境によって徴兵制ができるようになるのではないか」と続けた。国民の不安を煽って平和安保法案はそもそもいかがわしいとの印象付けを図ったのは明らかだ。

これに対して菅義偉官房長官は、憲法18条や13条を挙げ「徴兵制は、本人の意思に反して、兵役と言われる役務の提供を強制されること等から許容されない」と答弁。また、横畠裕介内閣法制局長官は安保環境の変化があったとしても「単なる環境の変化によって法的評価が変わるはずもない。今後とも違憲であるという判断に変更はあり得ない」と否定した。

だが、辻元発言に呼応するかのように枝野幹事長は同様の疑問を投げ掛け、24日の記者会見で「現状で徴兵制が政策論として必要であるとかないとか、そういう話ではありません」とし「ロジックの話をしている」と語った。だが、これも徴兵制を例に挙げることで、国民の法案への拒否感を引き出し反対の世論を強めようとする左翼特有の論法だ。国益とは無縁の言葉遊びの域を出ない。

徴兵制に関しては憲法の中の条文で「あり得ない」ことが担保されているのだ。辻元、枝野両氏とも、どうしても心配なら「徴兵制なし」の文言を憲法に盛り込むための改憲運動の先頭に立ったらいい。

2015.07.20

子供を優先に国家介入必要

記者が質問で触れた民法766条は離婚後の子の監護に関する事項を定めたもので、改正されて平成24年4月から施行されている。改正の概要は、協議離婚する際に協議で定める必要事項として子供との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担が明示され、その場合は「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とされた。

日本では、伝統的に離婚などは私的合意に委ねられ、弱者保護のための国家介入に消極的だった。戸主に強い統率権限が与えられていた「家制度」の名残と言えるが、親同士がエゴをぶっつけ合っていたのでは、子供の利益が損なわれる。そこで、子供の利益優先が強調されるとともに、その監護についてはより詳細に取り決めることになったのだ。

質問に出たのは、米国人男性が日本で日本人女性と結婚し、その後離婚したケース。女性は娘を連れて実家に戻った後に死去し、女性の母親、つまり娘の祖母が後見人として娘を養育している。一方、男性は親権を失っている。

こうしたケースでは、娘の利益を最優先に総合的に判断する必要があるが、そこには家庭裁判所の構造的な問題が立ちはだかっている。子供の利益を守るためには、国家が積極的に介入する姿勢に転換し、裁判官不足をはじめとした課題を解決する必要がある。

2015.07.20

「対話のドア、常にオープン」を繰り返す

安倍政権発足後、隣国である韓国の朴槿恵大統領との首脳会談開催のハードルが高くなる一方であった日韓関係が、ここにきて動いてきた。

国交を実現した日韓基本条約の調印から50年。その節目の年を迎え、さらにその調印から50年目に当たる6月22日、両国でそれぞれ記念式典が開かれた。

当初は、両国とも首脳の式典出席が危ぶまれていたが、直前、急きょ、安倍首相、朴大統領とも出席が決まった。

朴大統領は「(韓日両国が)新たな協力と共存、共栄の未来を目指して共に歩んでいく転換点にしよう」と提案し、安倍首相は「(朴大統領と共に)新たな半世紀を見据えて手を携え、新たな時代を切り開いていこう」と表明。首脳会談に向けて意欲をそれぞれの表現で示した。

もっとも、今年4月の段階で、韓国紙・東亜日報などが実施した世論調査によると、安倍首相と朴大統領の間で一度も実現していない日韓首脳会談について、「必要」との回答が約7割に到達。また、7割近くが日韓関係を改善しなければならないと答え、政治レベルでの両国関係の冷え込みとは対照的な結果となっていた。

韓国では、政府の中東呼吸器症候群(MERS)に対する対応が甘く、観光客の激減など、経済への影響が深刻化、この夏まで尾を引きそうな気配である。昨年は、セウォル号事故の対応がまずく、朴政権への国民の支持率が低下したが、今回はそれ以上に政権にとってのダメージになりつつある。フェリーは乗船者だけが犠牲になるが、MERSは誰でも犠牲者になる可能性があるからだ。

岸田外相は、いつものように「対話のドアは常にオープン」という言い方を繰り返している。ただ、韓国は相次ぐ国内問題の打開のため、頑なに歴史問題を前面に出すだけの外交姿勢を変更せざるを得ない事情が浮上しており、外交的好機の到来を感じているのかもしれない。(石)

2015.07.20

新国立競技場見直しが頭痛の種

東京五輪招致が決まり、もっぱらその担当大臣として言動に注目が集まっていた下村文科相だが、新国立競技場の費用問題が大変な課題として浮上。同五輪の成否が、この問題の解決にかかっている様相さえ呈してきている。

東京都に500億円の費用負担を求めることを可能にする法整備を検討をすすめようとして、舛添都知事から憲法95条に違反するのではないかとの反論にあっている。それは「地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」というもの。

沖縄の普天間基地の辺野古への移転に対して左翼勢力が反対の根拠にしようとしている条文が、五輪施設建設にも適用されかねないという混乱ぶりだ。

下村文科相は、現行法でも日本スポーツ振興センター法の規定に基づき、東京都に国立競技場の改築に係る費用負担を求めることが可能としているが、5月18日の都知事との面談で、知事から「都民を納得させる根拠が必要である」という発言を受け、費用負担に係る根拠法について更に検討を迫られている。

併せて、500億円の根拠も明確ではなく、文科相は、設計者側とプランの再調整をしている最中であり、東京都はこれが確定しない限り、費用負担の話は受けないという姿勢であることを会見で説明、苦慮している状況であることが伝わった。

新たな設計の確定時期についても明確ではなく、具体的なめどは立っていない。2019年春に完成という前提条件があるなか、どうこの問題をクリアするかが、文科相の大きな試金石となっている。(亀)