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2016.05.20

憲法論争で民共を分断せよ

民主党と維新の党が合流して民進党になっただけでも、党としてのアイデンティティーがどこにあるのか疑問符が付き、政党支持率は激減した。それなのに、一番最初の選挙で民進党が共産党と組むとなれば、国民の幻滅度が増すのは当たり前の話だ。

「共産党が綱領を全部改めた、共産党という名前もやめることにしたというなら分からないでもない」(自民党の谷垣禎一幹事長)が、いまだに暴力革命路線で全国を暴れまわった〝前科〟を清算せず、国民にお詫びもしない革命政党と一緒に組もうというのだ。

一体、民進党の岡田克也代表は何を考えているのか。一つの小選挙区で2万票という共産党票に目がくらんで、その票すべてが単純な足し算になると早合点しているのだろうか。だが、そういう打算にお灸を据えたくなるのが多くの国民だ。

一方の自民党にすればチャンスだ。改憲を党是とし改憲案を持つ自民党であればこそ、参院選では、どこの条文あるいは項目をまず変えるべきなのか。そのことを他党に問い掛けるのが望ましい。谷垣幹事長は、国民投票にかけても一度否決されたら次は難しくなるので「野党第一党などの理解を経ながらやるのが、現実的な道なのではないか」と語っている。それならなおさら、緊急事態条項の導入などを積極的に問いただしていけばいい。

議論が深まれば深まるほど民進党と共産党は分断されていく。それが選挙戦術にもなるはずだ。

2016.05.20

どう見ても「選挙協力」だが…

民進党の誰もが、共産党とだけは「選挙協力」という言葉を使いたがらないようだ。共産党が公認候補者を降ろして他の野党に選挙区を譲り野党共闘に力を入れているのにもかかわらずである。岡田代表は「選挙協力するとは一言も言ったことがない」と語っている。枝野幸男幹事長は「共産党とは参議院についても『選挙協力』という言葉を我々は使わない。なぜならば、選挙協力という言葉は非常に多義的で、人によって受け取り方が違うから」なのだという。

その一方で、「国政選挙においても『でき得る限りの協力を行う』ということだが、その『でき得る』範囲がどこまでの水準なのかということは、まとまった時点で公表する」のだという。参院選に対して「でき得る限りの協力を行う」考えを示しながら、それは「選挙協力ではない」というのだから、意味不明としか言いようがない。

こうした分かりにくさの背景には、民進党が共産党との連携イメージをどうしたら隠せるのか、に悩んでいるからだ。しかし、野党共闘に共産党色が浸透していることは紛れもない事実だ。共産党シロアリ論を唱え、共闘大反対を主張していた前原誠司元民主党代表も、北海道5区の衆院補欠選挙では共産党の小池晃書記局長と〝札幌野党共同街宣〟を行った。小池氏は「これは事件だ」とはしゃいでいたが、国民連合政府構想を提唱した共産党としては、選挙に勝てば連立政権を組んでもいいくらいの選挙協力に他ならないと考えているはずなのだが。

2016.05.20

「憎悪表現」生む自己中心

数年前から議論されてきたヘイトスピーチ対策法案が今国会で成立する見通しとなった。日本語にすれば「憎悪表現」となるヘイトスピーチの概念は抽象的、主観的で理解しづらい。その定義をどう定めるか、あるいは禁止条項を盛り込むかどうかで、与野党で意見が対立していた。それが定義を広げることや禁止条項は盛り込まないが、実効性を持たせるための「付帯決議」を行うことでまとまったのだ。

この問題がわが国で浮上した背景には歴史認識、領土問題などで日韓や日中間の外交摩擦が強まったことがある。コリアタウンで在日外国人を攻撃するデモが頻発した。参加者は若い世代が多い。そのピークは2013― 14年だったが、日韓関係の改善が見られたことなどから、今は減少傾向にある。その一方で、ネット上では他者を侮辱する書き込みは後を絶たない。

国連自由権規約委員会も、ヘイトスピーチの抑制を日本政府に求めてきた。しかし、対処を間違えると、逆に敵対感情を激化させたり、「表現の自由」を抑圧したりする恐れがあるから難しい。禁止条項を盛り込まないことは妥当である。

他者を侮辱し憎悪を煽るヘイトスピーチは「心」の問題である。したがって、本質的には、若者の間で他者を思いやる心が育っていないことが一番の問題である。たとえ法律が成立しても、ここに目を向けなければ、事態が大きく改善することは期待できない。

問題の核心は、個人主義に偏った戦後教育にある。自己中心の風潮を煽り、他者への憎悪を抑制する良心を弱くしてしまったのだ。政治もマスコミも、この点への反省が弱いのが気になる。

2016.05.20

日本側の譲歩、訪中で危惧

岸田外相の会見で明らかにされたように、同外相は4月29日から連休を利用した外遊日程に入った。

まず、中国で日中両外相は日中関係につき率直な意見交換を行い、外務省の発表によれば、①日中関係の重要性を再確認②更なる関係改善に向けて双方で努力③互いへの敬意・尊重の回復の重要性④経済面の協力や青少年交流等の民間交流の重要性――で一致したという。

具体的には「日中は一衣帯水の重要な隣国。良好な日中関係は両国民の利益であり、地域・世界の期待。多くの共通利益と共通課題について協力していくべき」、「日中間の四つの基本文書と一昨年11月の四項目の一致点を踏まえつつ、双方が建設的に努力し、戦略的互恵関係を更に発展させていく。両国は『互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない』ことを改めて確認」という点である。

さらには「相互理解を図り、相互信頼を増進していくために双方が不断に努力」し、「今後の取組として、共通利益の深化と共通課題への協力により、両国関係の肯定的な側面を増やし、特に、不透明さが増す世界経済の安定・発展への連携・協力は喫緊の課題であり、協力の可能性を追求。また、地方交流や青少年交流を含む民間交流を更に促進していく」というもの。

さらに同外相は「日本政府として、両国間の交流促進のために、中国国民の訪日ビザの更なる緩和措置を決定したことを伝達」。これに対し「王毅・外交部長からは歓迎の意が表明された」というが、中国側からの新たな提案はなかったようだ。

両国間で課題、懸案も多い中、日本側は日中首脳会談に向けて調整しているが、会談の実現以上に、中国から何を引き出すかが重要なポイントである。(石)

2016.05.20

スポーツ教育での範求められる

文部科学省が最も係わっていると言える東京五輪が、新国立競技場の予想外の建設費問題に始まり、エンブレムの盗作騒ぎと、これまでイチャモンの付き通しだった。競技場に関しては、いったん決まった建築デザインを白紙撤回して再公募、どうにか納得のいくものに収まった。

エンブレムの方も、この日の会見を前に新たなデザインが発表され、東京五輪を巡るスキャンダルに一応の終止符が打たれることが願われていた。馳文科相も、記者団から質問が出ないため、新エンブレムについて自から話題にして絶賛した。

ところが、ここにきて、今年開催のリオデジャネイロ五輪のバドミントン男子で日本代表入りが確実視されていた世界ランク2位の桃田賢斗選手と2012年ロンドン五輪で日本代表だった田児賢一選手が、墨田区の違法な闇カジノ店に出入りしていたことが発覚。

4月半ばに両選手が所属するNTT東日本が、この二人を解雇と「出勤停止30日」処分にした。馳文科相も、この処分を当然とし、アスリートとして訓練される中で、物事の是非も弁えるようになることが求められている、などと語っていた。

薬物使用は、このところ清原和博元巨人軍選手の覚せい剤問題に端を発し、スノーボードの強化指定選手二人が米国合宿中に大麻を吸ったことが判明するなど、スポーツ選手と薬物の関係で波紋が広がっている。

一方、巨人軍選手を中心とした野球賭博問題も完全には収束したとは言えない状況だ。

馳文科は、レスリングで五輪出場経験もあり、運動と教育との関係を強調している。スポーツ選手として名をなし始めると、生活が派手になって金銭など生活感覚がマヒしやすい。

東京五輪を意識し、アマチュア選手は多額の公費によって訓練を受けている。せめて五輪出場を目指す選手が分別を弁えた行動をし、これ以上、暗い影が落とされないよう、文科相には強い指導力が求められている。(亀)