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2016.07.21

理路整然と軌道外れる岡田氏

参院選で、憲法改正の議論を深めれば深めるほど民進党と共産党が分断されていくと考えていたが、実際には全く議論は深まらなかった。改憲政党のはずの共産党はまず、護憲の立場に当面は固執しているので議論の余地がない。民進党は「第1あるいは第2の争点にしよう」(岡田克也代表)と努めたが、自党に改憲案もないようでは争点化しようがなかったと言える。

自民党の稲田朋美政調会長が「争点化ということになると、考えのない人と議論はできない。民進党は、憲法を改正するかどうか、何を改正するかを明らかにしていない。安倍政権における憲法改正には反対ですなどという、何が言いたいか分らないことしか言っていない」と指摘したのはもっともだ。反対のための反対をする、かつての野党第一党の社会党になり下がってしまったようだ。

しかし、自民党は民進党との協議を経て改憲原案を作りたいと言っているのだ。「安倍政権における憲法改正には反対」であることと、自党が改憲案をつくらないこととは直接、関係があるわけではない。〝原理主義〟の岡田氏が左派の支援を受け理路整然と原理軌道を外れていく。国民政党から日々遠ざかっている印象だ。

政争に頭を悩ますことよりも国民に目を向け、国民の生命と安全を守ることが第一義の憲法改正案づくりをスタートさせるべきだ。

2016.07.21

「人を殺す予算」発言無視の民進

NHKテレビの討論番組で共産党の藤野保史政策委員長が、防衛費を「人を殺す予算」だとの暴言を発した。これに対して自民、公明などの幹部は撤回を求めたが藤野氏は番組内で撤回をせず、党からは早々と更迭された。民進党との共闘に党の命運を掛ける共産党としては、速やかに問題発言にフタをしてしまいたかったからだろう。

この日(6・29)の記者会見で岡田克也代表は、藤野発言を「適切でない」との認識は示したものの「反論すること自身が(相手の)土俵に上るので、無視する」とキッパリ。あくまでも共産党との政策不一致に触れたくない思いがありありだった。

しかし、共闘する以上、「野合」であってはならない。「野合」は国民にとって最も好ましくない姿だからだ。ところが、共産党と民進党の安全保障政策は根本から違うのだ。日米安保条約を認める民進党に対して共産党は「破棄」が党是だ。自衛隊に対しても共産党は、憲法違反の存在として解散を求めている。

こうした政党と国政選挙で共闘することは紛れもなく「野合」なのだ。岡田氏は「こんなことで、何でもかんでも批判しようとする安倍総理初め自民党の有力者の皆さん、非常に残念だと私は思う。そういう姿を国民は分かっている」とは言うが、「こんなこと」というほど些末なことではない。根本的かつ重大な問題のはずだ。

2016.07.21

難民政策の議論が必要だ

法務省が1月に発表した昨年の難民申請数(速報値)は7586人。平成26年から2586人増えて、過去最多だった。そのうち認定者数は前年より16人増の27人。

記者の発言にあるように、世界各地で難民が急増する中で、日本の難民受け入れは確かに少なく、「たった27人」と言えなくもない。しかし、問題は単純ではない。

EU諸国において、難民問題で社会が分裂している状況をみれば、安易に難民の受け入れを増やすことは禁物である。テロリストが紛れ込む恐れもある。しかも、日本で働くための偽難民申請が急増しており、本物の難民を見つけるのは容易ではない。本物の難民を「27人もよく見つけ出した」とも言えるのである。

2010年の制度改正で、短期滞在や技能実習などの在留資格があれば、申請から6か月が経過すれば一律に就労が認められるようになった。審査に時間がかかるため、その間の生活に配慮してのことだったが、これを悪用し、出稼ぎ目的の申請が増加したのだ。

しかも、申請が却下されても異議申し立てを繰り返すことができ、さらに審査に時間がかかるという悪循環に陥っている。このため、同省は昨年9月に、正当な理由がないと判断した場合には、在留や就労を不許可にするように運用を見直した。

そこで問題となるのは、受け入れる難民の数の少なさよりも、国民の関心が薄く、移民・難民政策が議論されないことだ。戦火を体験した世代がまだ多かった時代(1970年代末から80年代初め)、インドシナ難民に対する関心は高く、1万人の定住を受け入れた。

そう考えると、やはり27人は少ない。世界的に難民が急増する中で、主要国として、わが国が対岸の火事として見ていることは許されるのか。人数は限定するにせよ、専門知識や技術を身に付けた人は積極的に受け入れるなど、移民・難民政策を明確にすることが求められる。