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2016.11.20

「解散は直ちにない」と開き直り

衆議院の解散は総理の専権事項のはずにもかかわらず、自民党の二階俊博幹事長は〝オオカミ老年〟のごとく「解散は近い」との発言を繰り返してきた。それが10月28日の記者会見では、経済の立て直しが重要なので「直ちに解散どうこうは総理の念頭にない」と開き直って修正したのだ。

「安倍首相に忠実な幹事長」が定評の二階氏。来年の1月か2月にも解散するかのような二階発言が、首相の意を受けて行われなかったはずはない。先の総選挙で獲得した290議席のうち約120人が当選1、2回の安倍チルドレンだが、彼らは皆、安倍人気で当選してきたため、次の選挙も楽勝と選挙準備を怠っている。首相にはそう見えていたのだろう。気持ちの引き締め効果が出てきたところで、菅義偉官房長官による(一年中吹いている)「偏西風発言」での火消しとなったわけだ。

確かに12月で衆院議員の4年の任期は折り返しを迎える。解散がいつあってもおかしくない。ただ、現状では、解散の大義がないばかりか、7月の参院選1人区で証明されたTPP(環太平洋連携構想)に対する根強い反対や日露交渉の不透明な先行きなどで国民に訴えるべき成果が何もない。野党の敵失が頼りではせっかく確保した憲法改正に必要な3分の2議席も失ってしまいかねない。解散風は今の時点では沈静化に向かっている。

2016.11.20

民進党再建は全国行脚から

民進党が悩みの淵にいる。先の参院選で共闘し事実上、助けてもらった共産党から「連合を取るのか、共産党を取るのか」の二者択一を迫られているからだ。一方の主要な支持労組の連合からも、「共産党は目指す国家像が違うので、共産党との共闘は反対」と責められている。

まるで二人の恋人から迫られて「どちらを選ぶの」と回答を求められているようなものだ。野田佳彦幹事長らは「どちらも大切」だと言っても、当の本人たちには通用しない。野田幹事長にとっては「できる限りの協力を具体化する」と言うのが精一杯なのだ。

そこに登場するのが機を見るに敏の小沢一郎・自由党代表だ。「幹事長就任のお祝い」を名目に、消費税でケンカ別れした野田氏と久しぶりに会談。いろいろと指南をした。その一つが全国行脚だ。小沢氏も師匠の田中角栄氏もこまめに選挙区を回り、さまざまな声を拾い上げそれを支持につなげた。

そこで、野田氏は11月5日夜には岐阜で連合幹部と酒を飲みながら意見交換。今後も週末には全国を回って地方幹部との交流を深める方針だ。党の再建は全国行脚から、というのが野田氏の確信になったようだ。少なくとも「相互推薦・相互協力」を求める共産党に配慮し続ければ、国民の幅広い支持は得られず政権奪取への足掛かりを得ることはできないだろう。

2016.11.20

「二重国籍」で露呈する政治レベル

「二重国籍」問題を抱える政治家が野党第一党の党首に選ばれることこそ、政治の質の低さを露わにするものはない。国籍とは、政治の最重要課題である国益と直結するからだ。

いかに世界がグローバル化しようとも、それぞれの国益を追求するのが政治であることは変わらない。とくに、隣国・中国が覇権主義を強めている現在、どの政治選択が国益につながるかを見分ける能力を欠いた政治家は国会議員失格である。

1987年、17歳の時に日本国籍を取得した蓮舫氏は、国籍法によって、22歳までに国籍を選択する義務があった。国籍の選択方法は外国国籍の離脱か、日本国籍の選択宣言かのいずれかだが、法相と記者のやり取りからも分かるように、同氏は25年以上わたって国籍法上の国籍選択義務に違反していたのはほぼ間違いない。

その間、参議院議員として3度当選しただけでなく、民主党政権下では閣僚も務めている。長い間、国籍法に違反しながら政治活動を行っていただけでも「有権者を裏切る行為」であろう。

しかも、蓮舫氏にはもう一つの汚点がある。自らのアイデンティティーや国籍についての過去の発言が一貫性を欠き「日本」「台湾」「中国」と時と状況において使い分けていた。これでは、外国なら「即、退場」のケースであるが、そのような女性政治家が野党第一党の代表に選ばれた理由は単純。「選挙の顔」になるからだ。

これが、日本の政治家が有権者を軽く見ている証左だが、逆に言えば、政治家にそう思わせる政治意識の低さが有権者にあるということ。そして、二重国籍問題で説明責任を果たそうとしない政治家が野党党首であり続け、首相の座を狙おうというのなら、これもまたわが国の民主主義のレベルを象徴する政治状況である。