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2016.09.21

夫婦同姓の価値説け

最高裁は昨年末、民法の夫婦同姓規定をめぐる訴訟で、同規定に「合憲」の判断を示した。その理由は①1898年に制度として採用された夫婦同姓はわが国の社会に定着している② 家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位であり、その呼称を一つに定めることには合理性がある③家族の一員であることを対外的に示し、子供が両親と同じ姓である仕組みに意義がある④旧姓を通称として使用することは社会に広まっているので、姓を変える不利益は緩和されている、というものだ。

特に、この判決で注目されるのは、「家族の多様性」という、新聞・テレビが拡散させる風潮に影響されることなく、社会の基礎的な集団単位としての家族一体性の示すものとして、夫婦と子供が同性である意義を積極的に認めたことだ。

英国の保守主義思想家として知られるT・S・エリオットが指摘したように、家族がその役割を果たさなくなったら、文化の衰退を招くのは間違いない。最高裁の多数の判事はそれと同じ認識を示したと言える。し たがって「国民の間にも様々な意見がある」などと紋切り型の発言を行っているようでは、法相の重責を自覚しているとは言えない。社会の永続的で安定した発展を担保するため、最高裁と認識を共有し、夫婦と子供が同姓を名乗ることの意義を積極的に訴えることこそが法相の責務であろう。

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