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2017.05.27

国際基準無視し重箱の隅つつく

マスコミの記者の役割の1つは、権力による人権侵害を防ぐことだ。したがって、立法行為を厳しく監視するのは当然である。しかし、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案についての対応はお粗末すぎる。大臣答弁の稚拙さも問題ではあるが、テロへの備えの国際標準を無視して、重箱の隅をつつくような質問を続ける記者たちは人権を守るどころか、結果としてテロの危険性を高めて、国民の生命を脅かすものでしかない。

同法改正案について、未然防止に役立つ「イメージが湧かない」との抽象的な質問や、テロ等準備罪は「呼称か」など、さまつな質問を繰り返す記者を見ると、3年前の児童ポルノ禁止法改正を思い出す。

児童ポルノの「単純所持」を禁止する規定を盛り込むための同法改正は2014年に実現した。しかし、所持を禁ずれば、えん罪による人権侵害が横行するなどと、当時の民主党やマスコミが強く反対し、長く議論が進まなかった経緯がある。

わが国で、児童ポルノ禁止法が成立したのは1999年。その当時から、所持禁止規定がないことは国際社会から批判されていた。同規定がなかったのは先進7カ国(G7)の中では、日本だけだったからだ。

つまり、児童ポルノの製造・販売を禁じても、所持を禁じなければ需要を断つことができず供給も撲滅できない。だから、所持を禁じるのは国際基準だったのだ。所持を禁じる法改正は実現したが、それによってマスコミが懸念した人権侵害はまったく問題になっていない。

国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結国は187カ国に上る。しかし、3年後に五輪を控えてテロの標的になる懸念が高まる中、先進国日本が条約締結の条件となるテロ等準備罪を新設できないのは、テロに対する危機意識において、いかに国際基準からずれているかの証左であろう。それを象徴しているのが記者たちである。

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