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2017.11.17

旧姓使用は男女格差改善の初歩

 政府はこのほど、国家公務員の旧姓使用を、対外的な書類を含めてすべての省庁で原則認めると発表した。女性活躍推進法が施行してから、1年半。今回の決定は女性が働きやすい環境づくりを一歩前進させるが、男女の格差解消の壁はまだまだ厚い。

 国家公務員の旧姓使用については2001年7月、各省庁人事担当課長会議申し合わせで、職場での呼称、座席表、職員録、出勤簿などで認めることを決めた。しかし、役所の外に出す公的文書まで認めるかどうかは、各省庁の判断に任せられていた。

 民法は、結婚した場合、夫婦は、夫と妻のどちらかの姓を名乗ることを規定しているが、実際は、9割以上は妻の側が姓を変えている。結婚し、新しい姓に変えることを不便と思わない女性がいる一方で、原稿の執筆者名に代表されるように、姓を変えると、仕事に支障がでる場合もある。

 このため、夫婦同姓は、女性がさまざまな不利益を被っており、憲法の男女平等の原則に反するとして、違憲訴訟が起きてもいる。これについて、最高裁は2年前、家族の呼称として意義があるとして、夫婦同姓に「合憲」判断を下したが、女性の不利益は、旧姓の通称使用を広がることで緩和できるとした。この流れからしても、国家公務員の旧姓使用拡大は当然のことだろう。

 世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」、つまり男女平等の度合いで、我が国は昨年、144カ国中111位だった。この数字が日本の男女平等の実情を正確に反映しているとは思えないが、政界への女性の進出や、賃金格差など、政治・経済分野での改善速度が鈍いのは事実である。女性の所得の改善や官民の高位職への登用が大きく進むことが今後の大きな課題だが、それには男女の意識改革が不可欠であることを忘れてはならない。

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